福岡市で始まった新しい小児救急対応サービス
ティーペック株式会社と株式会社レイヤードが協力し、福岡市で「こどもの症状 受診の目安ナビ」の実証実験を開始することが発表されました。このサービスは、急な体調の変化に直面する子どもを持つ保護者のために、適切な受診判断を支援するものです。
小児救急医療の現況と課題
近年、全国各地で小児救急医療体制の課題が顕在化しています。特に夜間や休日における医療のアクセス性の確保は重要なテーマとなっており、限られた医療リソースの有効活用が求められています。2024年からの医師の働き方改革は、この問題に拍車をかけ、診療体制の維持に新たな困難をもたらしています。
ティーペックとレイヤードは、この状況を打破するために、保護者が簡単に受診判断を行える環境を用意しました。これにより、緊急時における地域医療の過剰な負担を軽減し、医療の適切な利用を促進します。
「こどもの症状 受診の目安ナビ」とは
この新しいサービス「こどもの症状 受診の目安ナビ」は、保護者がスマートフォンやパソコンを通じて子どもの症状を入力することで、受診の必要性や自宅でのケア方法を段階的に提供する仕組みです。また、必要に応じて看護師や小児科医による24時間対応の電話相談に接続できるため、より具体的なアドバイスを得られるのが特徴です。
実際に利用する際は、WEB問診Symviewに沿って症状を入力することで、迅速に必要な情報を得ることが可能です。この仕組みは、デジタルに馴染んだ保護者にとって使いやすく、ストレスを感じることなく受診判断ができるよう設計されています。
実証実験の細部
この実証実験は、2025年6月1日から始まり、2026年5月31日まで続く予定です。福岡市内に住む小中学生の子どもを持つ家庭が対象となり、保護者が子どもの症状を入力することで受診の目安が表示されます。また、必要に応じて電話相談も可能で、万一の際にも不安を軽減できるよう配慮されています。
実証実験は福岡市の公式LINEやチラシ、ポスターなどを通じて周知され、利用状況による効果の検証も適宜行われる予定です。ティーペックとレイヤードは、福岡市と連携したプロジェクトチームを組成し、この重要な取り組みを進めていきます。
企業背景
ティーペックは1989年に設立され、24時間健康相談を提供する事業に特化しています。医療専門家によるコンタクトセンターを運営し、健康・医療分野の課題解決に取り組んでいます。一方、レイヤードは医療機関や自治体向けに医療DXソリューションを提供し、日本のプライマリ・ケアの推進に寄与しています。両社の協力により、より効果的な小児救急医療の実現が期待されます。