投手の健康を守る新たなアプローチ
日本でもようやく発売されることが決まった、ウェアラブルデバイス「motus BASEBALL」。この製品は、メジャーリーグ15球団に導入されており、投手たちの肘の健康を守る手助けをすることを目的としています。特に投球過多による肘の故障リスクを軽減することが期待されています。
投手の負担と肘の故障
なぜこのようなデバイスが求められるのか、その背景には投手たちに課せられる負担と肘の故障問題があります。たとえば、昨年の甲子園では金足農業の吉田輝星選手が878球も投げ、将来的な故障を心配する声が広がりました。また、今年も大船渡高校の佐々木朗希選手に対して、登板回避を決断した指導者の思いは賛否を呼び起こしました。
これらの事例は、プロ・アマ問わず、肘の故障やトミー・ジョン手術を受ける選手が増えている現状を映し出しており、整形外科医の話によれば、手術を受ける選手の多くは実は高校生以下とのこと。これは選手個々の実力がチームに頼られる結果、負担が増大することを意味しています。
投球制限の必要性
それに伴い、高野連も投球制限や登板間隔についてのルール整備を検討していますが、個々の体格や投球フォームに差がありますので、一概に数値を設定するのは難しい現実があります。このような中で、motus BASEBALLは数値データを基に投球管理を行い、選手個々の健康状態に合わせた対策を提供することが目指されています。
motus BASEBALLの機能
このウェアラブルデバイスは、投手が装着したスリーブにセンサーを組み込んで、投球時に様々なデータを収集します。このデータは、肘のストレス、投球動作の数値、トレーニング量を蓄積することで、指導者や選手に対して客観的なアプローチを可能にします。以下はmotus BASEBALLの主な機能です:
1.
肘の故障予防
収集されたデータをもとに、肘にかかるストレス値を算出し、リスクを縮小します。
2.
パフォーマンス向上
投球データを分析することで、フォーム改善のための具体的なインサイトを提供します。
3.
トレーニング設計
プロ選手のデータを参考に、個々に最適化されたトレーニングメニューを提案します。
4.
コンディショニング管理
試合に向けたコンディション管理ができる機能も備えており、最適な状態で臨む準備をサポートします。
このように、motus BASEBALLは選手一人ひとりに寄り添ったデータ管理が可能となるでしょう。
日本での発売と導入実績
このデバイスは、日本でも導入が期待されており、一部のプロ球団や選手、医療機関でも既に試行されています。そのため、今後の動向が非常に楽しみです。
日本市場への期待
スポーツ医学に基づく科学的なアプローチで、motus BASEBALLが日本の野球界にも広がっていくと、多くの選手たちがより安全にプレーできる環境が整うでしょう。肘の故障は一つの選手のキャリアだけでなく、チーム全体にも影響を及ぼします。データに基づいた管理が実現することで、日本の野球界がさらに発展することを期待しています。
製品情報
- - セット内容:センサー、スリーブ、クリップ、USB充電コード
- - 価格:29,800円(税別)
- - 発売日:2019年9月上旬予定
詳しくは公式サイト(
こちら)からご確認ください。