NanoFrontier、シンガポールに進出
NanoFrontier株式会社が仙台市の海外展開支援プログラム「STEP for SEED」に採択され、シンガポールを拠点にした東南アジア市場での事業を進めることが決まりました。今回のプログラムは、海外市場に挑むスタートアップに対する伴走支援を提供するもので、NanoFrontier史上初の国際展開へ向けた第一歩となります。
NanoFrontierの技術
NanoFrontierの中核技術は、東北大学で開発された「再沈殿法」による有機材料の高分散ナノ粒子化です。この技術は、AIデータセンター向けの冷却液の性能を向上させたり、水中の微量汚染物質をリアルタイムで検出したりすることが可能です。また、次世代の蓄電池材料の開発にも応用されています。これらのニーズは東南アジアで急速に拡大しており、技術の国際的な実装機会が増しています。
プログラムで目指すこと
NanoFrontierは、仙台市の支援を受けて、シンガポール市場でのビジネス仮説を検証し、加速的な事業展開を目指しています。プログラム内での活動は、渡航前の市場分析や商習慣の把握から始まり、現地での面談、実地視察、英語のビジネスピッチの磨き上げまで多岐にわたります。これにより、MOUの締結や共同研究・実証につながる成果を上げることを目指しています。
具体的な取り組み内容
1.
AIデータセンター向け冷却液の高度化:
ナノ粒子の分散技術を利用して、冷却液の熱伝達特性の向上を測定し、信頼性評価を行います。
2.
環境センシング:
水質における微量の汚染物質を検出するソリューションの適合性を検証し、具体的なユースケースを開発します。
3.
エネルギー材料:
有機ナノ粒子材料の応用に関して、共同で検討しプロトタイプの製作を行います。
共同パートナーの募集
NanoFrontierは、東南アジア市場での事業化を見据え、特定の領域において共同検証や共創を行えるパートナーを募集しています。関心がある企業や機関は、ぜひ連絡をしてほしいとのことです。
- - データセンターや冷却液メーカー:既存の冷却液へのナノ粒子分散適用の実機評価と共同実証を行います。
- - 水環境・インフラ事業者:水質センシングの現場での実証や共同研究の機会があります。
- - エネルギー関連企業:有機ナノ粒子材料の適用検討や試作評価を行います。
会社情報
NanoFrontier株式会社は、宮城県仙台市に本社を構えており、代表取締役は井上誠也氏です。2025年に設立された同社は、有機ナノ粒子化技術を用いた製品の研究・開発・販売を行っています。公式サイトも開設されており、最新情報や事業内容についてはそちらをご覧ください。
より多くの人々がNanoFrontierの技術に触れ、国際的な舞台での活躍を楽しみにしています。