飲食業界初のVR研修導入！新しいスタイルの人材育成とは

静岡東部に根ざした創業70年を超える食サービスチェーンが、VR（バーチャルリアリティ）技術を活用した新しい社員研修を開始しました。これにより、従来の方式では難しかった効率的かつ効果的な人材育成が可能となります。

VR研修の目的と背景

飲食業界では、新型コロナウイルスの影響や人口減少によって、深刻な人手不足が続いています。その中で、職場でのOJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）方式が主流となっているものの、指導員が常に近くにいる必要があり、他の業務を行うことが難しいという問題があります。そのため、新入社員を育成する際には多くの限界が存在します。

そこで、当社はVR技術を利用し、効率的な人材育成の仕組みを整備することにしました。VR研修を通じて、従業員はリアルな店舗環境を仮想的に体験し、顧客とのコミュニケーションや注文のやりとりなど、さまざまなシナリオをシミュレーションできます。

VR研修の具体的な内容

今回のVR研修では、MetaQuest2というVRゴーグルを使用します。このデバイスを通じて、当社が展開する「かつ銀」というブランドの店舗が仮想空間に再現され、研修者は実際に訪れたような感覚で訓練に取り組むことができます。注文を受けた研修者は、顧客のニーズを理解し、適切に対応するスキルを身につけることができます。

興味深いことに、このVR研修は一人でも実施可能なため、教育スタッフの負担が大幅に軽減されます。さらに、接客の応答スタイルは現在4パターンが準備されており、録画や録音機能を通じて、後から振り返ってチェックすることで、微細なスキル向上が可能です。

当社では、このVRプログラムを約10時間で完了させることができ、今まで必要だった教育スタッフのコストを年間で500万円も削減することが見込まれています。

地元企業とのコラボレーション

興味深いのは、このVRシステムは地元・沼津高専出身の企業、株式会社casalizと共同で開発されたという点です。今後もこのシステムは改良が重ねられ、より多様なシチュエーションやエピソードが追加される予定です。さらに、他のブランドへの展開や提供も視野に入れた進化を続けています。

働きやすさを追求する取り組み

当社は、飲食チェーンの中でも特に「働きやすさ」と「働きがい」に注力しています。パート従業員への有給休暇の付与や、充実した研修プログラムなど、従業員が安心して働ける環境を整える努力をしています。

また、属人化からの脱却を目指して、デジタルトランスフォーメーション（DX）を積極的に推進し、業界全体の離職率を下げ、従業員の満足度向上を図っています。

体験会の開催

このVR研修の価値をより多くの方に知ってもらうために、マスコミ向けの体験会を実施する予定です。体験会では、当社の代表と開発者が同席し、実際のVR体験を通じて、開発の背景や今後の展望についてお話しします。

当社は、今後も食卓に笑顔と健康を届けるために、多角的な取り組みを進めてまいります。ぜひ取材をご検討いただき、私たちの思いを知っていただければ幸いです。

会社情報