RE Biotech.が化粧品製造業許可を取得
日本生物製剤が2023年に設立した社内バイオベンチャー、RE Biotech.(アール・イー・バイオテック)が、2025年8月1日付で化粧品製造業許可を取得したことが明らかになりました。この許可取得により、RE Biotech.はヒト胎盤を利用した化粧品製品の一貫した開発体制を整え、収集から製造、出荷までを自社で行えるようになりました。
背景と課題
培養上清を利用した化粧品の市場では、品質のばらつきが多く、高価な値段で取引されるケースが目立っていました。特に、海外製品との取引に関するトラブルが報告されており、そのため国内市場においても高品質かつ安定供給を望む声が上がっていました。今回の許可取得は、国内で唯一、原料調達から製品製造まで一貫した体制を確立したことを意味します。
この一貫した生産ラインを構築することで、RE Biotech.は高品質な製品を適正価格で提供できる体制を整えることができ、消費者の信頼を得る基盤を築きました。
新たな展望
RE Biotech.の化粧品製造は、クリーンエリアが完備されており、防腐剤を使用しない製品の展開も計画されています。また、工業スケールでの培養上清原液の製造を想定しており、他の化粧品メーカーへの原料供給も行う予定です。
これにより、今後は国内外の化粧品業界において、RE Biotech.が益々重要な役割を果たすことが期待されています。
RE Biotech.の位置付け
日本生物製剤は、ヒト胎盤を原料とする医薬品「ラエンネック」を製造販売する実績のある製薬企業です。2025年には創立55周年を迎え、肝機能障害を改善する目的で、ラエンネックは日本国内だけでなく、世界15ヵ国で使用されています。
RE Biotech.は、この経験を基盤に、ヒトおよび動物胎盤を活用した新たな医療用品や化粧品の研究開発を進めています。最新の設備と環境を整え、国内最大級の胎盤組織の研究開発拠点としての活動を行っています。
社会的な意義と今後の展開
胎盤は医療や化粧品の分野で非常に高いポテンシャルを秘めており、RE Biotech.はこの資源を最大限に活用するための研究と製品開発を継続していく予定です。将来的には、胎盤由来の原料を使用した製品が、消費者にとって身近なものとなり、より多くの人々に貢献できることを目指しています。
福岡バイオファクトリーに拠点を置くRE Biotech.は、今後も胎盤を活用した製品の開発に注力し、質の高い医療用品や化粧品を市場に提供していくことで、社会における胎盤の有効活用を進めてまいります。