カスタマーハラスメントの現状と求められる対策
近年、サービス業を中心に「カスタマーハラスメント」、略してカスハラが深刻な問題となっています。国や企業は対策に積極的に取り組んでいますが、実際の職場ではどのような現状があるのでしょうか。インターワイヤード株式会社が実施したアンケート調査の結果を基に、カスハラの実態と企業に求められる対策について詳しく紹介します。
アンケート調査概要
この調査は、2024年8月2日から8月5日にかけて行われ、全国の労働者1,293人からの回答を得ました。質問内容は、過去1年以内に職場で受けたカスハラについて、そしてカスハラ対策として会社に求める取り組みについてです。
調査結果のハイライト
調査によると、約30%の労働者が過去1年以内にカスハラを経験しています。特に、若い男性や金融・保険業での割合が高いという結果が出ています。また、カスハラの認識について、カスハラの定義を理解している人は約50%であり、判断基準の理解度は4割にも満たないという厳しい現実が明らかになりました。
さらに、企業のカスハラ対策については、評価する声が約20%にとどまっており、多くの従業員が施策についての実感を持てていない状況です。職場の風通しが悪いことが、カスハラの相談をしづらくする要因となっていることもわかりました。
カスハラ施策の浸透状況
カスハラに自分一人で対応せざるを得なかった人が多いことから、会社のカスハラ施策が浸透していない状況が見受けられます。最も強化してほしい施策としては、カスハラに対する基本方針を社内外に公表することが挙げられています。
必要な対策とその実施
このような現状を受けて、企業はカスハラに対する対策を強化する必要があります。まず、カスハラの定義や判断基準を明確にし、全従業員に理解を深めてもらうことが重要です。また、社内外に公表する基本方針を定めることで、従業員が安心して相談できる環境を整えることが求められます。チームで話し合い、風通しの良い職場を作ることも一つの対応策と言えるでしょう。
カスタマーハラスメントは今後も影響を及ぼす問題であり、企業の対応がその被害を減少させる鍵となります。より多くの企業が具体的な施策を制定し、従業員を守る体制を整えることが、今後の課題と言えるでしょう。