中小企業が注目するタレントマネジメントの現状
日本の中小企業では、タレントマネジメントの認知度が高い一方で、実際の導入は思ったよりも進んでいないことが明らかになっています。法人向けクラウドサービス紹介サイト「アスピック」が実施したアンケート調査によると、タレントマネジメントについて知っていると答えた人は70%を超えていますが、実際にタレントマネジメントを取り入れている企業は28%に留まっています。このギャップはなぜ生まれているのでしょうか。
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは、従業員のスキルや能力を企業が一元管理し、採用や人材配置に役立てる手法です。具体的には、社員のスキルや性格、キャリアパスを把握し、適材適所を実現するための仕組みを指します。従来は大手企業のみが実施してきましたが、最近ではエンゲージメントの向上や離職防止にも寄与する可能性が注目されています。そのため、中小企業においても導入が期待されています。
調査内容と結果
今回の調査は2025年3月に行われ、173人の回答を基にしています。調査対象は、全国の企業で従業員数10~299名の法人です。経営者や人事担当者が多く参加しており、さまざまな視点からの意見が集まりました。
認知度の高さ
調査の結果によれば、まず「タレントマネジメント」という言葉を知っていると答えた人が40.5%、聞いたことがあると答えた人が38.7%でした。このことからも、タレントマネジメント自体は広く認知されていることが分かります。興味深いのは、認知している人ほど、タレントマネジメントシステムに対する関心が高いという傾向が見られた点です。
実施状況はまだ低調
しかし、実際に自社でタレントマネジメントに取り組んでいる企業は28.3%に過ぎず、46.8%が「取り組んでいない」と回答しました。この結果は、認知度の高さに対し実施状況が追いついていないことを示しています。
システム導入への興味
中小企業向けのタレントマネジメントシステムに「興味がある」と答えた人が35.8%である一方、「興味がない」との回答も34.1%を占め、関心と無関心が分かれる結果となりました。このことから、導入に対しての期待が見える一方、具体的な取り組みへのハードルが依然として存在することを伺えます。
重視されるポイント
導入を検討する際には、料金や使いやすさ、機能、サポート体制などが重視されることがわかりました。料金の問題は特に重要で、57.8%が「安さ」を強調しています。
実現したい目標
タレントマネジメントシステムを導入した際に実現したいことには、「人材配置や採用・育成をより戦略的にしたい」という声が41%と最も多く、次いで「従業員満足度を高めて離職率を低減したい」が40.5%、さらに「評価業務を簡単に行えるようにしたい」との声が39.9%でした。
まとめ
中小企業におけるタレントマネジメントの導入状況は多くの認知を得ているものの、実際に導入が進むにはいくつかの課題があるとわかりました。興味を持ちつつも、はっきりとしたアクションには至っていない様子です。「アスピック」では、中小企業向けのタレントマネジメントシステムも紹介していますので、興味のある方はぜひ活用してみてください。
アスピック公式サイトでは、詳しい情報が公開されています。今後の中小企業における人材管理の進展に期待が寄せられます。