生成AIが引き起こす新たな脅威、マルバタイジング攻撃の実態と対策
最近、広告品質とセキュリティソリューションを提供するGeoEdgeから発表された情報によれば、生成AIを利用した新たなマルバタイジング攻撃が確認されました。この攻撃では、旅行予約サイト名を冠した偽サイトが作成され、ユーザーのクレジットカード情報を窃取する手口が広がっています。
複数の偽サイトが出現
GeoEdgeのセキュリティリサーチチームは、特に「Skyscanner」を模した偽サイトの存在を報告しており、ユーザーを広告経由で誘導し、その結果として決済情報を盗む攻撃が実行されていました。この手法の特徴は、今までにない精巧さにあり、攻撃者はAIを駆使してわずか数時間で本物そっくりのウェブサイトを生成できるようになっています。
AIコーディングエージェントの利用
従来、ウェブサイトを真似するには高度なプログラミングスキルと多くの時間が必要でした。しかし、この新しい攻撃ではAIコーディングエージェントが使われ、旅行予約サイトのデザインや機能をほぼ完全に再現することが可能となっています。GeoEdgeの調査によると、コードにはAIによって生成されたコメントが含まれており、攻撃者がAIツールを利用してサイトを作成したことが示されています。
ユーザーを欺く精巧な作り
偽サイトにアクセスしたユーザーは、航空券の検索や航空会社のロゴ、検索結果、予約画面、CAPTCHA画面など、本物のサービスとほぼ同じインターフェースを目にします。そして、「40%割引」といった特別オファーを表示し、ユーザーを急かせて予約手続きに誘導します。最終的には、決済画面でクレジットカード情報を求められ、入力されたデータは攻撃者に送信されます。
新たな攻撃手法の「Agentic Malvertising」
GeoEdgeは、このようなAIを使った攻撃を「Agentic Malvertising」と名付けています。従来のマルバタイジングは不正な広告やリダイレクトを利用していましたが、今回の攻撃ではAIがサイトを自動生成し、各地域や言語に合わせた異なる偽サイトを展開することができると報告されています。これにより、攻撃者はAIに指示を与えるだけで、大規模な詐欺を実行することが可能になっているのです。
警戒すべき偽サイトの実態
今回の攻撃では、広告のクリエイティブそのものには問題がなく、真の脅威はクリック後に表示されるランディングページに潜んでいます。GeoEdgeでは、攻撃を検知するために以下の項目を分析しています。
- - ランディングページのコード構造
- - 外部リソースへの参照
- - CAPTCHA機能の実働状況
- - ドメインの信頼性
- - ページ全体の挙動
生成AIによって偽サイトの精度が飛躍的に向上している現状では、広告クリエイティブだけでなく、遷移先の安全性も重視した包括的な広告品質・セキュリティ対策が必須となっています。
GeoEdgeからの警告
GeoEdgeは、生成AIが広告制作やマーケティングの効率化に貢献している一方で、その利点を逆手に取った新たなフィッシング攻撃が生まれていることを警告しています。今回の攻撃はAIを用いたサイバー脅威の高度化と大規模化の一例であり、我々は警戒を怠らず、常に情報をアップデートしていく必要があります。GeoEdgeは今後も引き続き、広告配信の監視やセキュリティリサーチに努め、ユーザーが安全にオンラインで取引できる環境を提供していく方針です。