ガザ地区への物資搬入が止まり人道危機が深まる現状

ガザ地区での状況は危機的です。これまでの1カ月以上、商業物資や人道支援物資の搬入が全面的に中止され、210万人以上の市民は再び逃げ場を失っています。爆撃の音は絶えず、食料や医療品が乏しく、現地の人々は厳しい飢えに苦しんでいる状況です。

国連機関のトップであるユニセフ（国連児童基金）のキャサリン・ラッセル事務局長を含む5つの国連機関の長は、物資搬入と停戦の再開を求める声明を発表しました。この声明は、世界中にこの状況を訴えかけるものとなりました。

実際、ガザ区域の市民は、混乱と恐怖の中で孤立しており、助けを待ち望んでいます。特に、子どもたちの状況は深刻です。最近報告されたデータによると、停戦の崩壊後の1週間だけで1,000人以上の子どもが死亡または負傷しています。特に年齢が低い子どもたちがこの危機に直面していることは、非常に痛ましい事実です。

ガザ地区の学校は避難所として利用されていましたが、爆撃の対象となり、その内の何校が被害を受けています。医療システムも再び機能不全に陥りかけており、必要な物資は急速に不足しています。最近まで何とか機能していた医療体制が、この新たな危機によって打撃を受けていることは言うまでもありません。

また、新たな強制退去命令が出され、何十万もいるパレスチナの市民が再び避難を余儀なくされています。避難する場所もなく、彼らは危険な状況に晒されています。特に子どもたちにとって、この不安定な状況は計り知れない影響を与えています。

2023年に入って以降、少なくとも408人の人道支援従事者が命を落としており、その中には国連のパレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）の職員も含まれています。これらの問題は、国際社会が無視してはならない深刻な緊急事態です。

ユニセフは、全ての子どもが健やかに育つ権利を守るために活動しており、現在約190カ国で困難な状況にある子ども達の支援に取り組んでいます。日本でも、国内のユニセフ協会がその活動を推進しています。

今、私たちに必要なのは、国際社会からの迅速かつ強固な行動です。「民間人を保護し、支援を促進し、人質を解放し、停戦を再開せよ」という声を、国際的に広めていくことが求められています。私たちの力で、この状況を変えていかなければなりません。