現代技術が甦らせた1300年前の漆塗り革袋
奈良県橿原市に本社を置く株式会社鞄工房山本は、近年興味深いプロジェクトに取り組んでいます。それは、奈良県葛城市の三ツ塚古墳群から出土した約1300年前の漆塗り革袋の復元です。この驚くべき試みがどのように進行してきたのか、詳細をお伝えします。
漆塗り革袋の歴史的背景
復元の対象となった漆塗り革袋は、1999年から2001年にかけて行われた発掘調査で見つかりました。その出土品は、7世紀後半に作られたとされる「木櫃改葬墓13」に由来します。この革袋は、唐代の資料に記載された「鞶囊(はんのう)」に相当するもので、当時の人々の生活文化を知る貴重な手掛かりとされています。
復元品の高さは約16cm、幅は約19cm、厚みは8.5cmあり、漆黒の革に金具と本紫色の組紐が施された仕上がりは、現代でも目を惹く美しさです。
職人技術の結集
この復元には、鞄工房山本の二代目である山本一彦が中心となり、細部にわたる技術が求められました。特に、鹿皮を立体に成型する「吊り込み」という手法は、同社が2023年に立ち上げたブランド「MONTBOOK」で培った技術を活かしています。
また、今回のプロジェクトには、異なる分野の職人たちが集結しました。鹿皮は奈良県宇陀市の株式会社藤岡勇吉本店、漆塗りは石川県の漆夢工房清里、金具は東京メタル株式会社、そして組紐は有職組紐道明がそれぞれの専門技術を提供しました。
復元制作の過程
約1年間にわたる試作と多くの試行錯誤が行われました。漆塗りの過程では、成型された鹿皮が漆によって変形するため、前例の少ない難易度が高い仕事となりました。それでも、各職人が連携しながら解決策を見出し、最終的に一つの革袋として完成させました。
山本は「異なる技術を持つ職人との協力によって形になったこの革袋は、現代のものづくりの誇りです」と述べています。約1300年前の技術と現代の職人仕事が見事に融合した結果、復元品には深い意味が込められています。
ものづくりの楽しさを子供たちへ
鞄工房山本は、完成したランドセルだけではなく、ものづくりの過程を広く一般の方に体験してもらうことにも力を入れています。工房の一般公開を通じて、子供たちにも職人の手仕事や物を大切にする心を感じてもらいたいと考えています。工房見学は、参加無料で予約も不要です。
会社概要
株式会社鞄工房山本は1949年に創業し、長年にわたり奈良県で高品質な革製品の製造に努めてきました。ランドセル製造の工程は全て自社工房で行い、最近では大人向けの革鞄ブランド「MONTBOOK」も展開しています。
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このようにして、1300年前の職人の技術が現代の職人によって復元された漆塗り革袋は、私たちに歴史と伝統の重みを再認識させてくれます。詳しい情報は鞄工房山本の公式ウェブサイトでご紹介していますので、ぜひ訪問してみてください。