町工場のIT営業戦略
2020-12-25 14:32:06
コロナに負けない町工場のIT営業戦略 - ムソー工業の挑戦と成功
コロナに打ち勝つIT戦略 - ムソー工業の事例
日本の零細町工場の一例であるムソー工業は、70年の歴史を持つ企業で、大学発ベンチャーとして1950年に設立されました。当初は下請け工場として一社に依存するビジネススタイルでしたが、経営環境の厳しさから収益構造の安定が求められています。
ビジネスモデルの再構築
ムソー工業は、特にコロナウイルスの影響を受け、就業者数の減少や採用が難しくなっている製造業の厳しい状況に直面しています。そこで同社は、従来の営業手法からデジタルマーケティングへと移行することに決めました。新たな営業スタイルを確立するために、ホームページのリニューアルやSEO対策、そして新しい営業支援システムの導入を行いました。
ITツールの導入 - SYNALIOとPardot
ここで注目されるのが「SYNALIO」と「Pardot」という二つのITツールの導入です。「SYNALIO」はユーザーの行動データを分析するチャットボット型マーケティングツールです。このツールは、見込み客のニーズを掘り下げ、より効果的なアプローチを可能にします。
一方、「Pardot」はAIを搭載したマーケティングオートメーションツールです。このツールにより、見込み客の興味が高く、成約に結びつく可能性のあるデータを営業担当に提供し、新しいお客様を獲得する効率を高めています。これらのツールの導入が、昨年比での売上増加に寄与しています。
成果と投資効果
実際の成果として、ムソー工業は新規開拓先が年間50社から125社に増え、またメイン顧客以外の売上も40%の増加を見込んでいます。このような成果を得るために、同社は300万円程度の投資を行いましたが、その投資収益率は200%を超える見込みです。
若手の採用と将来の展望
ムソー工業は、これからの製造業界で働く若手人材に対して「安心して働ける環境」を提供することが急務となっています。ダイバーシティや安心感を重視し、業界イメージを「モテる」「儲かる」「認められる」と変えるためのPR活動も行っています。この取り組みにより、製造業への就業意欲を高めることを目指しています。
結論
コロナ禍という厳しい環境の中で、ムソー工業は新たなITツールの導入と営業スタイルの見直しを通じて、ビジネスの効率化と安全な職場環境の構築を図っています。このような取り組みが他の町工場にも広がれば、製造業全体のイメージ向上と業務の改善に繋がるでしょう。
会社情報
- 会社名
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ムソー工業株式会社
- 住所
- 大田区京浜島2-13-9
- 電話番号
-
03-3790-0666