「書店員が選ぶノンフィクション大賞2024」ノミネート作品『上野アンダーグラウンド』とは

本橋信宏著『上野アンダーグラウンド』がノンフィクション大賞2024ノミネート

本橋信宏の作品、『上野アンダーグラウンド』が「書店員が選ぶノンフィクション大賞2024」にノミネートされました。この賞は、全国の書店員が最も売りたいと思うノンフィクション作品に与えられるもので、今年度の候補作として注目される存在です。本書は、2023年4月に発刊され、現在進行中の全国の書店員による投票を経て、10月18日には大賞が発表される予定です。

書店員が選ぶノンフィクション大賞とは

この賞は2023年から始まり、全国各地の書店員が、今最も「売りたい」と感じるノンフィクション作品に贈られます。第1回の昨年は西加奈子の『くもをさがす』が受賞しました。今回は2023年6月から2024年5月に発行された作品が対象となり、40作品がノミネートされています。書店員の投票は9月1日から20日まで行われ、結果を多くの人々が注目しています。

自然な混沌と秘密を描く『上野アンダーグラウンド』

本書は、Netflixでドラマ化された『全裸監督村西とおる伝』の著者である本橋信宏による大人気の街ルポシリーズの第3弾です。上野という街の裏側に迫る詳細な取材を通じて、そのカオスな現実を描き出しています。

第一章では、上野の歴史とその地形的な高低差が生んだ混沌について触れ、西郷隆盛像の謎に迫ります。次の章では、上野にある「九龍城ビル」と呼ばれる雑居ビルに潜入し、そこでの中国エステの実態をレポートします。さらに、アメ横での経験を通じて、光と影の両面から上野という街の特異性を浮き彫りにしています。

著者の本橋は、8年ぶりに訪れた上野で再会した人物たちとのエピソードを交えながら、変わりゆく街の様子を描写します。「視点を変えれば、何が見えるか」というテーマのもと、上野という誰もが知る街の新たな側面を探求しています。この作品を通じて、上野の誰も知らない秘密と混沌を体験してみてはいかがでしょうか。

1. 高低差が生んだ混沌
2. 上野“九龍城ビル”に潜入する
3. 男色の街上野
4. 秘密を宿す女たち
5. 宝石とスラム街
6. アメ横の光と影
7. 不忍池の蓮の葉に溜まる者たち
8. パチンコ村とキムチ横丁
9. 事件とドラマは上野で起きる

本書は、上野の奥深くに隠された様々なストーリーを追いかける、ディープで魅力的な作品です。ぜひ一度手に取って、上野の裏面を覗いてみてはいかがでしょうか。

著者情報

本橋信宏は1956年、埼玉県に生まれたノンフィクション作家です。早稲田大学を卒業後、幅広いジャンルの作品を手がけています。代表作には『全裸監督村西とおる伝』があり、これはNetflixでドラマ化され大ヒットを記録しました。彼の作品は、上野だけでなく、東京各地の歴史や文化に迫るものが多く、多くの読者に支持されています。