中古住宅購入の裏側
来る6月25日は「住宅デー」。これは著名な建築家、アントニ・ガウディの誕生日に由来し、全国建設労働組合総連合によって制定された記念日です。この日は、住宅にまつわる職人やその技能への理解を深めることが目的です。
近年、特に2020年以降は新型コロナウイルスの影響が大きく、多くの人々の生活スタイルが一変しました。リモートワークの普及によって、住まい選びにおいて通勤時間から居住性へのシフトが見られるようになったのです。都市部だけでなく郊外の戸建て住宅も人気が高まり、特に中古住宅への注目が集まっています。しかし、新築戸建ての建設が高騰する中で、中古住宅購入にはいくつかの注意点が存在します。
中古住宅購入に賛成する建築のプロたち
建築士や専門家に「中古住宅の購入についてどう思うか」という調査を実施したところ、実に8割以上が「賛成」と回答しました。その理由には、建築資材の上昇やリフォームによって新築よりも安く手に入るからという意見が多くありました。ある専門家は、「安い新築は早々に劣化する可能性が高い。一方で、中古住宅はその実態が見えやすく、リフォームすることで長く使える」と指摘しています。
ところが、一方で反対の声も存在し、外観だけをプチリフォームしている物件や、耐震性や断熱性が不安な古い住宅の問題が挙げられました。もう一人の専門家は、「定期的なメンテナンスを欠かしている物件を購入するのはリスクが高い」と警告しています。特に大切に使われてきた中古物件が真に価値があるという意見が目立ちました。
中古住宅購入時に重視すべきポイント
次に、「中古住宅を購入する際に特に気を付ける点は?」と質問したところ、多くの専門家が「築年数」と「雨漏りの有無」を挙げました。築年数が古い物件では、将来的に建て替えを考えなければならない可能性が高まります。
雨漏りの有無については、木材の腐食やシロアリの被害に直結するため特に注意が必要です。最後に「構造・工法」に言及した人も多く、内装は変えられてもその基盤を変えられない場合が多いという意見がでした。さらに、立地に関する重要性も指摘され、特に沿岸地域や線路沿いの物件は維持管理が難しいため、この点も無視できません。
購入を避けるべき中古住宅の特徴
次いで、「絶対に購入すべきでない中古住宅は存在するか?」との質問にも、約7割が「ある」と回答。大多数が嫌悪感を示したのは、「雨漏り」や「シロアリ被害がある物件」です。また、15年以上メンテナンスされていなかった住宅もリスクが高いと考える専門家が多く、最終的には「維持管理が行き届いた物件のほうが安心できる」との意見が強調されました。
実際、現在不動産業界では、専門家によるホームインスペクションの利用が推奨されており、住宅の質や状態を確認する重要な手段として注目されています。
「リフォーム前」物件が8割強の支持
最後に「リフォーム前と後、どちらの中古住宅を購入するべきか?」との質問に対し、約8割の専門家が「リフォーム前」と回答しました。理由としては、「リフォーム前の方がより安く入手可能で、自分の好みに改造できる」という意見が多く寄せられました。
一方で「リフォーム後の物件はすぐに住める」という点を好む意見も存在しましたが、多くは「見た目だけでは判断できない」と懸念を示しています。
結論
この調査結果からわかるのは、中古住宅購入はリフォームを見据えた戦略が重要であるということです。「綺麗だから」「安いから」といった表層的な情報ではなく、長期的視点で自分に合った物件を評価することこそが、中古住宅選びのコツなのかもしれません。
調査概要
- - 調査期間 : 2022年6月
- - 調査機関 : 自社調査
- - 調査対象 : 自社と提携している工事店の建築士や職人
- - 有効回答数 : 129 名
- - 調査方法 : インターネット調査
会社情報
株式会社ゆうネットでは、「優良工事店ネットワーク」を通じて、信頼性の高い工事店の紹介やリフォームに関するトラブル解決への支援を行っています。私たちの目標は、リフォームがもっと安心でスムーズに行える環境を提供することです。