Z世代の平等意識調査による新たな視点の展開

世界的に著名な世論調査会社、イプソス株式会社は、2024年の「平等指数」に関する調査を発表しました。この研究では、日本を含む29カ国で21,759人を対象に、社会における平等や不平等に対する考え方が調査されました。その結果、日本のZ世代男性は、自国における平等の取り組みを「やり過ぎ」と感じている傾向が明らかになりました。

Z世代男性の平等への認識

調査結果によると、日本のZ世代男性は、自国の平等に関する努力を過剰だと感じる割合が高いことが分かりました。これは他の世代や同世代の女性と比較しても顕著です。平等への取り組みが、不利益をもたらしていると感じているZ世代男性が多くなっています。このような見解は、世界的にも共通して見られる傾向です。

女性の差別意識

一方で、Z世代の女性は、LGBTQやニューロダイバーシティに関連する差別について特に敏感であることが明らかになりました。調査で「最も不公正な扱いを受けているグループはどれか？」という問いに対し、Z世代女性はLGBTQやニューロダイバーシティに関連するグループを不平等と認識している数が、Z世代男性の約2倍にも達しています。このことから、性別による意識の差が浮かび上がります。

成功の可能性に関する考え方

加えて、成功に関する考え方にも世代間の違いが見られました。調査結果によれば、ベビーブーム世代の約50%が「個人の強みや努力で成功が決まる」と考える一方、Z世代ではその割合が30%未満となっていることが示されています。特に女性は、成功を自身の力ではなく、環境など外的要因によって左右されるという考えを持っている傾向が強いようです。

調査結果の背景

イプソス株式会社の代表取締役である内田俊一氏は、Z世代男性が「平等への取り組みはやり過ぎ」と感じる理由について、育ってきた社会環境にあると指摘します。この世代は、平等に機会が与えられる社会を背景に育っており、その中で逆差別に近い状況を感じることもあったのではないかと考察しています。彼はまた、Z世代が前の世代に比べて、自分たちの努力が平等に成功することに対して前向きに感じられない傾向があるとしています。

結論

この調査の結果からは、Z世代の意識の多様性が浮き彫りとなり、男女間の認識の違いや、世代による価値観の変化も伺えます。今後もイプソスは、平等に関する意識の動向を継続的に観察し、さらなる調査結果を発表していく予定です。これにより、社会の変化や進展を理解し、次世代がどのように平等の概念を捉えていくのかを注視していきたいと思います。