ユーグレナ社が描く未来の研究開発
2026年6月17日、株式会社ユーグレナがメディア関係者を対象に、同社の研究開発(R&D)に関する勉強会を開催しました。勉強会では、同社の研究体制の変化、独自成分「パラミロン」の研究進展、さらに新たに挑戦する疾患領域への取り組みが詳しく紹介されました。
研究体制の新たなフェーズ
当日の講演には、創業メンバーであり多くの研究を主導してきた“ミドリムシ博士”鈴木 健吾氏と、2026年からR&D領域を担う小倉 卓氏が登壇しました。これまでのユーグレナの研究開発は「ミドリムシを育てる」という生物学の枠組みに基づいていましたが、今後は化学の視点を取り入れることで、新しい価値創出を目指す方針が示されました。
彼らは、研究と事業を密接に結びつけるだけではなく、外部との連携を強化し、研究成果の社会実装を推進していく意向を明らかにしました。
パラミロンの研究とその応用可能性
ユーグレナに含まれる「パラミロン」の研究は、同社の取り組みの中核をなすものです。勉強会では、これまでの研究の積み重ねを踏まえ、食品や化粧品などの既存用途に加え、さまざまな新しい応用可能性についても触れられました。
さらに、慢性腎臓病(CKD)をテーマにした新たな研究についても説明され、社会的な重要性とともにユーグレナの新たな可能性が報告されました。研究段階ではあるものの、企業や医療機関との協力によってその実証を進める考えが披露され、食品やヘルスケア領域を超えた挑戦として位置づけられました。
「多段活用」の理念
小倉氏は、ユーグレナの研究開発の特徴として「新ユーグレナの5F」を挙げ、一つの素材を多面的に活用するアプローチの重要性を強調しました。ユーグレナは食品やサプリメントだけではなく、化粧品、肥料、さらにはバイオ燃料として活用されるポテンシャルを持っています。このような多段活用により、同じ原材料から複数の価値を生み出し、資源の有効活用が期待されています。
生物と化学の融合がもたらす新展開
最後に、小倉氏は「生物と化学の融合」という将来の研究開発の方向性を示しました。自身の専門である界面化学の知見を活かすことで、栄養素の吸収性の向上、製品の品質安定、さらには味や香りの改善が見込まれ、製品の価値向上に繋がる可能性があると説明しました。
生物学を基盤とする従来の研究に化学の視点を加えることで、食品、化粧品、燃料といった異なる分野への展開が現実味を帯び、これまでの延長線上ではない新しい価値創出が期待されています。これからもユーグレナは、20年以上の研究の成果を踏まえ、新たな研究体制で社会課題解決に向けた取り組みを続けていくことでしょう。