愛知県稲沢市で始まるオンラインによるフレイル予防実証実験
株式会社Rehab for JAPANが愛知県稲沢市で、2025年11月から新しいフレイル予防に関する実証実験を開始します。本実証実験は、65歳以上の高齢者9名を対象に行われ、遠隔地のトレーナーとモニター越しにコミュニケーションをとりながらオンライン体操を実施します。また、参加者の動作データをAIで解析し、最適な運動プログラムを提供します。今回の取り組みでは、介護予防教室を人員や開催場所、天候に左右されることなく行えるようにすることで、地域におけるフレイル予防の活動を充実させることが目指されています。
高齢化社会における取り組みの背景
愛知県では、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて高齢化が急速に進んでいます。2030年までには高齢者人口が200万人を超え、後期高齢者の割合は60%を上回る見込みです。このような中で地域包括ケアや介護予防の取り組みが求められています。
しかし、現行の「介護予防運動教室」は対面での開催が基本であり、遠方に住んでいる高齢者の参加が難しいという課題が存在します。また、運営に必要な人員の確保も難しいことから、運動の機会を十分に保証できないという声も上がっています。これらの障害に対しリハビリ専門職と連携したオンラインでのコミュニケーションは、今までにない介護予防の実現を可能にします。
実証実験の具体的内容
本実証実験は愛知県のあいちデジタルヘルスプロジェクトの支援を受けて実施されます。内容としては、以下のような形式で行われます:
- - 施設集合型オンライン(合計2回): 参加者が集まってモニター越しにトレーナーから運動指導を受ける形式。
- - 自宅参加型オンライン(合計4回): 参加者が自宅から専用タブレットを通じてトレーナーに指導を受ける方法。
- - 対面集合型オンライン(合計2回): よりリアルな運動指導を受ける機会。
- - モーションAIによる身体評価: 参加者一人ひとりの身体機能をAIで分析し、事前・事後に評価を行います。
このように多角的なアプローチにより、フレイル予防教室の新たなモデルを模索します。
Rehab StudioとモーションAIの役割
Rehab Studioはリハビリ専門職とオンラインで連携し、高齢者の身体機能やQOLの改善を目的とした集団リハビリサービスです。すでに累計で5,000名以上の高齢者にサービスが提供されており、その信頼性と効果が証明されています。
モーションAIでは、高齢者の動作データをAIが解析し、身体機能を客観的に評価するツールです。この技術により、下肢の筋力やバランス能力を計測し、転倒リスクなどを予測することが可能です。これにより、参加者が自身の身体機能を正確に把握でき、より効果的な運動プログラムが提供されます。
今後の展望
この実証実験から得られた知見をもとに、愛知県内の各自治体での介護予防教室の実施を目指すとしています。さらに、オンラインおよびAIを活用した新たな介護予防サービスを社会に実装し、地域の高齢者が持続的にフレイル予防に取り組める環境を築くことが期待されています。健康寿命の延伸と我々のQOLの向上に寄与するこのプロジェクトに注目していきたいものです。