インドの路上生活の子どもたちに「生きる力」を届ける
NPO法人「結び手」は、インドのグルガオン市で路上生活を強いられている子どもたちを対象にした新たな教育プログラムを開始しました。この取り組みは、子どもたちに必要なモラルやライフスキルを提供することを目的としています。
プログラムの背景
結び手の活動地域であるグルガオン市では、教育のチャンスが乏しいだけでなく、汚職や差別、暴力といった深刻な社会問題が日常的に存在しています。これにより、子どもたちが適切な価値観や行動の指針を身につけることが難しくなっています。そのため、ただ単に学力を向上させるのではなく、人生を生き抜くための判断力と行動力、つまり「生きる力」を育てることが求められています。
今回導入されたプログラムは、ユニセフが世界各国で効果をあげている教材、「Basic Life Skills Training Facilitator's Manual」を使用しています。この教材は、近畿大学の山﨑教授の研究をもとにカスタマイズされ、現地のニーズに合わせた導入が図られています。
プログラムの概要
- - 教材: ユニセフ「Basic Life Skills Training Facilitator's Manual」
- - 対象: グルガオン市の路上生活者の子どもたち
- - 頻度: 週1回
- - 実施方法: 現地講師が学習後、独自の導入プランを作成し授業を行う
実施報告
プログラムの初回授業では「五感を使ったマインドフルネス」をテーマに、集中力や心の落ち着きを養うアクティビティを行いました。続く第2回は「感情の認識とコントロール」をテーマに、感情を表情や天気に例えて理解するワークや、呼吸法を用いたリラクゼーション、さらに未来の夢を描く活動が行われました。
現地講師の報告によれば、授業後には教室内の騒音が軽減し、子どもたちの集中力が明らかに向上したとのことです。また、「夢の家」を描くワークでは、笑顔を浮かべる子どもや涙を流す子どもの姿が見受けられ、感情を前向きに表現する新たな変化が見られました。
代表の想い
代表理事の福岡洸太郎氏は、「教育を通じて、子どもたちに自分の人生を選ぶ力や努力する機会を与えたい」と語ります。「生まれた環境や周囲の状況にとらわれず、未来を築くことができる大人として成長し、倫理観を育むことがこの活動の目的です。」
NPO法人結び手とは
NPO法人結び手は、「外部環境が原因で努力できない人をゼロにする」というミッションを持ち、2021年に設立されました。インド国内の7地域で20以上の団体と協力し、ビハール州・ハリアナ州・ラジャスタン州を中心に1,500名以上の子どもたちに教育の機会を提供しています。国籍に関係なく課題解決を目指すNGOとして、常に前向きな活動を行っています。
詳しい情報は、
NPO法人結び手のウェブサイトをご覧ください。またのお問い合わせは、代表の福岡までメールにてお気軽にどうぞ。
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