近年の国際物流業界では、様々な課題が浮き彫りになっています。特に、需給の不確実性や越境ECの拡大が進んでおり、物流コストの上昇も無視できない問題です。そんな中、株式会社関通が新たに手を組んだのが、上海に位置する『外高橋発展公司』という政府系企業です。この協業により、日中2国の物流プラットフォームが構築されることが期待されています。
外高橋発展公司は、中国の保税区を運営する国家レベルの開発企業で、豊富なインフラとノウハウを持っています。このパートナーシップにより、関通は『W倉庫×W専門性×資本連携』という新たな物流モデルを実現し、顧客への包括的なサービスを提供することが可能になりました。
特に、日本企業は中国からの出荷遅延や在庫管理の不足に悩んでいますが、今回の協業によってその問題が解消される見込みです。関通は、日中両国の倉庫を活用し、海上輸送、通関手続きの簡素化や貿易支援を行います。これにより企業はより柔軟にサプライチェーンを設計できるようになります。
また、関通はフレートマンロジックス株式会社の株式を10%取得し、資本関係を強化することで、国際物流の専門家としての地位を確立しています。フレートマンロジックスは日中間の通関支援や輸送手配を担うプロフェッショナル集団で、関通の強みと掛け合わせることで、新しい物流のスタンダードを創造していく狙いです。
この連携は、中長期的には『中国から日本のエンドユーザーへの直送』という新たな物流戦略を志向しており、ラストワンマイルの最適化にもチャレンジしていく予定です。当初は上海港や青島港を中心に、将来的には南部中国や東南アジア地域への拡大も視野に入れています。
さらに、物流業務の電子化やトレーサビリティを強化するシステムの導入も計画されています。顧客企業にとっては、在庫管理や貿易業務の効率化が図られ、ビジネスの成長を促進することが期待されます。関通は今後も、国境を越える日常物流の確立を目指し、さらなるサービスの拡充を図り続けることでしょう。
この新しい物流プラットフォームの正式運用開始は2025年9月が予定されています。関通と外高橋発展公司、そしてフレートマンロジックスの協業によって、日中間の物流の未来がどのように変わっていくのか、非常に楽しみです。