「年収の壁」より深い?主婦層が望む理想の働き方:フルタイム正社員への強い憧憬
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情を探る調査機関『しゅふJOB総研』が実施したアンケート調査で、興味深い結果が明らかになりました。
調査では、主婦・主夫層に「最も望ましい雇用形態」について質問したところ、現状では「短時間非正規社員」が35.4%と最も多いという結果になりました。これは、家事や育児、介護など、家庭の事情に合わせて柔軟に働けることが大きな理由と考えられます。
しかし、家庭の制約がなく、仕事に専念できる場合を想定すると、結果は大きく変化しました。この条件下では「フルタイム正社員」が43.3%と最も多く、仕事への意欲やキャリアアップへの期待が示されました。
この結果は、主婦・主夫層が、収入制限や時間制約など、社会的な壁によって、本来望んでいる働き方を選択できていないことを示唆しています。
主婦層が抱える「二重の壁」
調査結果からは、主婦・主夫層が、収入制限による「年収の壁」に加え、時間制約による「家庭の壁」という二重の壁に阻害されている現状が浮き彫りになりました。
例えば、扶養範囲内での収入制限は、経済的な自立を阻むだけでなく、スキルアップやキャリアアップの機会を奪う可能性もあります。また、時間制約は、子供の世話や介護など、家庭の事情に合わせて働き方を制限せざるを得ない状況を生み出しています。
理想の働き方への願い
調査結果からは、主婦・主夫層が、家庭の事情に縛られず、自分の能力を最大限に発揮できるような働き方を望んでいることが分かります。
具体的には、フレックスタイム制やリモートワークなど、柔軟な働き方を導入する企業が増えることや、収入制限による壁を取り除くことなどが求められます。
また、男性が家事や育児に積極的に参加することで、女性の労働時間制約を軽減し、働き方の選択肢を広げることも重要です。
社会全体の課題
主婦・主夫層の働き方に関する課題は、社会全体で取り組むべき課題です。企業は、多様な働き方を導入することで、人材の獲得や定着を促進することができます。政府は、育児休暇の取得促進や保育施設の整備など、家庭と仕事の両立を支援する政策を進める必要があります。
誰もが自分らしく働き、生き生きと人生を送れる社会を実現するために、社会全体で課題解決に向けて努力していくことが重要です。