大村湾を楽しむ「ワンダーフィッシング」イベントの魅力
2025年の6月と11月、大村湾ワンダーベイが主催する「ワンダーフィッシング~楽しく学ぶ、釣り人のそなえ~」イベントが開催されました。このイベントは、参加者が釣りを通じて大村湾の豊かな海洋資源や環境問題について学び、海をもっと身近に感じることを目的としています。
大村湾の特徴と生態系
イベントではまず、大村湾に特有な環境についての座学が行われました。講師の中村氏が、超閉鎖性海域である大村湾の特性を説明。この湾は外の海水が入りにくく、そのためプランクトンが豊富に存在します。講師の言葉によれば、「プランクトンが多いことは、大村湾が豊かな海である証拠です」とのこと。少し緑がかり濁った水は、まさにプランクトンの存在によるもの。
さらに、海藻の減少や磯焼けといった環境問題についても説明がありました。子どもたちは、これらの情報に熱心に耳を傾け、実際に海底のごみについての説明を受けた際には、その多さに驚きを隠せませんでした。中村氏は、「ごみのほとんどは、周辺で生活する人々から出たものです」と話し、参加者に対してゴミの出し方について考えるよう呼びかけました。
エコルアー作りで環境を意識
続いて行われたのは、食品由来の素材を使ったエコルアー作り。通常のルアーがゴミになってしまう一方、エコルアーは魚の餌にできるため環境に優しい選択です。参加者は、楽しみながら大村湾の環境への配慮を学びました。
海の安全を学ぶ重要性
釣りをする際の安全に関する講義も行われました。ライフセーバーの冨田氏からは、溺水事故の現状や事前の備えの重要性について説明がありました。感心した子どもたちは、正しいライフジャケットの着用方法や、事故を未然に防ぐためのポイントについて学びました。
釣り体験で大村湾に親しむ
いよいよ待望の釣り体験へ。参加者は、それぞれインストラクターとともに釣りを初体験しました。初めは恐る恐るだった子どもたちも、次第に慣れていき「釣れた!」という声があちこちで聞かれました。釣れる魚には、キスやイイダコなどがあり、参加者は笑顔でそれを持ち寄り、交流を楽しみました。
参加者からは、「大村湾についてたくさん学べたし、釣りがすごく楽しかった」「海のごみを減らしたい」という感想が次々と寄せられました。
団体概要
一般社団法人大村湾ワンダーベイは、地域の海洋環境の保護とそれに関する教育を行う団体です。今後も大村湾の魅力と重要性を広めるため、さまざまな活動を続けていきます。
公式サイト:
大村湾ワンダーベイ
日本財団「海と日本プロジェクト」について
このイベントの背景には、日本の海洋環境を守るための「海と日本プロジェクト」があります。子どもたちが海について考え、行動するきっかけを提供することを目的としています。