乳房再建手術をもっと身近に。蜷川実花氏による新たな試み
乳房再建手術に関する理解を促進するための新たな取り組みとして、NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー(E-BeC)が写真家蜷川実花氏と共同で写真集『New Born—乳房再建の女神たち—』を発刊しました。このプロジェクトは、乳がん患者やその周囲の人々に乳房再建手術についての正しい情報を届け、社会全体の理解を深めることを目的としています。
E-BeCは2013年から、乳房再建に関する啓発活動を行い、再建手術を選択する際に必要な情報を提供してきました。しかし、10年が経過した現在もなお、社会全体の認識は十分とは言えない状況です。そこで、乳房再建手術の重要性をさらに広めるため、蜷川氏とのコラボレーションが決定しました。
2024年2月、E-BeCは乳房再建手術を経験したモデルの募集を行ったところ、80名以上の応募がありました。応募者たちの動機や手術に至るまでのストーリーは様々で、選考された12名のモデルたちの人生の物語は、多くの人々に感動を与えました。この撮影は2024年5月に無事終了し、6月から8月にかけて制作が行われ、ついに10月に刊行される運びとなりました。
写真集のタイトルには「New Born」、つまり「新生」が込められています。これは、乳房再建を経て新たな人生を歩む女性たちを意味しており、彼女たちの美しさと強さを表現したものです。特に、乳がんに罹患することが多い30代から50代の女性たちに寄り添い、手術を受けた後も前向きに生きていく姿を示しています。
本書の構成は二部に分かれており、第一章では12名のモデルたちの美しい写真が掲載され、第二章では彼女たちのインタビューを通じたストーリーが紹介されます。この写真集は、乳がん患者にとっての励ましとなるだけでなく、医療従事者や一般の方々にも役立つ良い資料となるでしょう。
さらに、乳房再建手術に関する認知を深めるため、NPO法人E-BeCはアッヴィ合同会社アラガン・エステティックスと共に10月8日を「乳房再建を考える日」として、日本記念日協会に登録しました。この日を通じて、乳房再建手術の選択肢を知り、考えることの重要性を広めていくことが目指されています。
乳房再建についての理解と認知が、それを必要とする人々の幸せにつながることを願い、E-BeCは今後も活動を継続していきます。彼女たちのストーリーを知ることで、乳がん患者たちが抱える悩みに思いを馳せ、前向きに治療を受ける勇気を持つことができるはずです。
この新たな取り組みが、乳がん治療の一環として乳房再建手術を認識するきっかけとなることを期待しています。