西田天香と杉本哲郎展
2022-11-08 10:00:01
長浜ゆかりの思想家・西田天香と芸術家・杉本哲郎の大規模展覧会開催
長浜ゆかりの思想家と芸術家、西田天香と杉本哲郎の軌跡をたどる大規模展覧会
滋賀県長浜市にある長浜城歴史博物館と長浜市曳山博物館では、令和4年10月29日(土)から12月11日(日)まで、企画展「西田天香と杉本哲郎ー長浜ゆかりの偉大な思想家と芸術家ー」が開催されます。
この展覧会は、明治から昭和時代にかけて活躍した思想家・西田天香と、日本画家として国際的に評価された杉本哲郎の生涯と業績を紹介するものです。長浜市ゆかりの二人の人物を深く掘り下げ、彼らが築き上げた思想や芸術、そして人との繋がりを多角的に探る貴重な機会となります。
西田天香:無所有と奉仕の生き方
西田天香(1872-1968)は、北海道での開拓事業の挫折を経験した後、故郷の長浜に戻り、「無所有・奉仕」の生活を実践しました。その生き方には多くの共感者が集まり、京都・鹿ヶ谷に修養道場「一燈園」を設立。天香の思想は、鈴木清一(ダスキン創業者)、尾崎放哉(俳人)、倉田百三(劇作家)といった同時代の著名な人物にも影響を与え、河井寛次郎(陶芸家)、村上華岳(日本画家)らとも交流がありました。
天香の思想は海外にも広がり、中国、アメリカ、インドネシアなどを訪れ、アメリカ渡航時には渋沢栄一から紹介状を受け取っています。本展では、こうした天香の生涯と思想を、関係者からの書簡や写真、そして一燈園の歴史を紐解く資料などを通して紹介します。
杉本哲郎:宗教画に込めた普遍的な真理
杉本哲郎(1899-1985)は、長浜で材木商を営む父・善郎が主催した私塾で西田天香と出会い、その交流は哲郎の生涯にも影響を与えました。大津生まれの哲郎は、当初は山元春挙に師事した後、独自の画風を確立。インド・アジャンター壁画の模写や、仏教をはじめとする様々な宗教を題材とした作品を制作し、インド、アメリカ、ブラジルなどで個展を開くなど、国際的に高い評価を受けました。現在も、本願寺津村別院やウェスティン都ホテル京都などに彼の障壁画が残されています。
本展では、杉本哲郎の代表作である『世界十大宗教壁画』の一部や、アジャンター石窟寺院の壁画模写の下絵など、貴重な作品を多数展示。彼の画業の転換期となったインドでの経験や、宗教観を反映した作品世界を深く掘り下げます。
展覧会の見どころ
西田天香と大正~昭和時代の芸術家・実業家との交流を物語る資料
尾崎放哉直筆の手紙、ヴォーリズの書など、貴重な資料
棟方志功の代表作『二菩薩釈迦十大弟子』の全12幅(後期展示のみ)
杉本哲郎のアジャンター石窟寺院模写下絵の関西初公開
杉本哲郎の代表作『世界十大宗教壁画』から4作品を展示
展示情報
会期: 令和4年10月29日(土)~12月11日(日)
会場:
第1会場: 長浜城歴史博物館 2階展示室
第2会場: 長浜市曳山博物館 1階曳山展示室、2階企画展示室、伝承スタジオ
入館料: 各会場ごとに設定。団体割引あり。長浜市内・米原市内の小中学生、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方とその付添いの方1名は無料。
* 公式ホームページ: https://nagahama-ex.com/
この展覧会は、西田天香と杉本哲郎という、異なる分野で活躍した長浜ゆかりの二人の偉大な人物の業績を再評価する絶好の機会です。歴史と文化、そして芸術に関心のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
会社情報
- 会社名
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「西田天香・杉本哲郎顕彰事業」実行委員会
- 住所
- 滋賀県長浜市公園町10-10長浜城歴史博物館
- 電話番号
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