GRACEと横浜国立大学の共同研究、コーヒー粕からのナノファイバー抽出に成功

GRACEと横浜国立大学の共同研究



株式会社GRACEと横浜国立大学の研究グループが、使用済みのコーヒー粕を原料に、ホロセルロースナノファイバー(HCNF)を高収率で抽出することに成功しました。この技術は、これまで廃棄物とされていたコーヒー粕を有効活用し、持続可能な資源活用を促進する可能性を秘めています。

研究背景と目的


コーヒー粕はコーヒーの製造過程で発生する副産物ですが、これまでその利用は限られていました。しかし、GRACEと横浜国立大学の研究グループは、コーヒー粕に含まれるヘミセルロースとセルロースに注目。特に、ヘミセルロースを利用したアップサイクル技術の開発を目指しました。

高収率のホロセルロースナノファイバーの抽出


今回の研究では、コーヒー粕の乾燥重量の52%という高い収率でHCNFを得ることに成功しました。具体的には、コーヒー粕を処理した後、高圧の物理的衝撃を加え、水中で微細化する過程でこの高収率を実現しました。HCNFはセルロースとヘミセルロースから成り、樹脂やプラスチックの補強材、高粘度・分散安定性が求められる用途に適していると確認されています。

HCNFの新たな特性と応用可能性


興味深い点は、HCNFがコーヒー粕由来特有の新しい結晶構造を持つことです。この結果は、食品添加剤や化粧品などへの利用が期待される新しいプロダクト開発の道を開くもので、環境に優しい製品の開発に繋がります。特に、HCNFを凍結乾燥させることで、発泡スチロールのような形状にすることができる点も注目です。再度水を加えることで、ナノメートルスケールにまで分散し、優れたハンドリング特性を持つことが認められました。

今後の展望


GRACEは、今後このHCNFを食品用乳化安定剤として活用するための研究を進め、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを強化する意向です。また、横浜国立大学との連携を深め、地域資源を有効に活用した地域循環型経済の構築にも寄与していく予定です。

共同研究契約の締結


GRACEは2022年11月に横浜国立大学と共同研究契約を締結しました。この契約により、食品廃棄物由来のセルロースナノファイバーを活用した新製品開発の研究が進められています。今後、コーヒー粕をはじめとする食品廃棄物から、持続可能な製品を生み出すことに期待が寄せられています。

結論


本研究は、コーヒー業界が抱える廃棄問題を解決する一助となるだけでなく、廃棄物から新たな価値を生み出すアップサイクル技術の重要な一歩です。今後もGRACEと横浜国立大学の共同研究から目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社GRACE
住所
神奈川県横浜市西区みなとみらいクイーンズタワーC16階
電話番号
045-264-9956

トピックス(エンタメ)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。