ダークパターン撲滅へ向けての取り組み
デジタル環境が進化する現代において、特にゲーム業界で問題視される「ダークパターン」という概念をご存じでしょうか?これは、ユーザーの行動を意図的に誘導する悪意のあるデザイン手法を指し、結果としてユーザーが望まない選択を強いられる事象を引き起こします。
株式会社オレコンは、この危険性を訴えるために「darkpatterns.jp」を運営しており、ダークパターンを撲滅するための活動を行っていますが、今回は特に著名なウェブ開発者であり、ValidBotの創設者であるJake Olefsky氏とのタイアップを通じて、彼の著作『Temporal Dark Patterns』の翻訳を実施したことを報告します。
背景と目的
ダークパターンは、ユーザーが自分の意思とは異なる行動を取らざるを得ない状況を創出するため、例えばゲームをしている際に感じる違和感につながります。例えば、「やめたいのに続けてしまう」「気づけばアプリの課金が止まらない」といった体験は、まさにこのダークパターンの影響です。ユーザーが無意識のうちに習慣的に行動を続けることで、楽しさを感じなくなっても止められなくなる、これが「時間的ダークパターン」と呼ばれるものです。
このため、オレコンはJake Olefsky氏とのコラボレーションにより、ダークパターンに関する理解を深め、正しい情報を広めるための一助とすることを目指しています。
時間的ダークパターンの例
以下に、具体的な時間的ダークパターンの典型例を挙げます。
1.
予約制プレー
ユーザーが自らのスケジュールに基づくことなく、ゲーム側の設定に強制的に従わされる。
2.
毎日の報酬
定期的にゲームに参加することが奨励され、1日でも欠かすとペナルティが科される。
3.
繰り返し作業
ゲームの進行には単調で退屈な作業を繰り返すことが求められる。
4.
広告
広告視聴が強制されたり、広告視聴で報酬が得られる場合。
5.
無限サイクル
勝利やゲームの達成が不可能な状態。
6.
一時的な保存不可
必要な時にゲームを終了できない状況。
7.
プレーを待つ
ゲーム内で不定期に待機させられる設定。
これらの事例からわかるように、ダークパターンはユーザーの心理を巧みに利用し、意図的に操作することで不利益をもたらします。
Jake Olefsky氏の紹介
彼はデジタルデザインやウェブ開発の分野で多くの実績を持つ専門家で、ユーザーにとって使いやすいものを作ることに注力しています。彼の理念は、消費者がより良い体験を得られるようにすることであり、ダークパターンの排除を通じてその一歩を進めていると言えるでしょう。
darkpatterns.jpの目指すもの
darkpatterns.jpは、ダークパターンに関する情報を提供し、消費者の理解を深めることを目的としています。また、企業や経営者に向けても、ダークパターンの危険性を伝え、より倫理的なビジネスプラクティスにつなげたく考えています。このようにして、企業と消費者の両方に役立つ情報を発信し、ダークパターンの撲滅を目指しています。
私たちは、より安全で健全なデジタル環境の実現に向けて、今後も取り組んでいきます。