シベリア抑留が受賞
2025-07-18 14:22:24

石村博子著『脱露シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』が講談社受賞!

石村博子著『脱露シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』の受賞



2023年7月17日、石村博子の著作『脱露シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』が第47回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞しました。本書は、ソ連のシベリアに抑留された日本人民間人の苦悩や苦しみを描いたものです。受賞の発表を受け、著者は自身の思いを語り、失われた声を集めることができたことを誇りに思っていると述べました。

著書の背景と意義



この書籍は、8年以上にわたる取材を基に、南樺太における民間人抑留の実態に光を当てています。この間、著者は記録や証言を集め、シベリアで過ごした日本人たちの物語を紡ぎました。彼らは戦後の荒廃した南樺太で、不当な逮捕や強制労働にさらされながらも、故国への帰還を夢見て生き延びました。

著者が描くのは、ただの歴史的事実にとどまらず、個々の人生や尊厳の物語です。彼らは、日露の関係史の中で忘れられてきた存在であり、その苦しみや思いは一つの舞台に立たなければ語られることはありませんでした。

受賞の意義



本書の受賞は、歴史の片隅に埋もれた声を顕在化させることの重要性を示しています。また、講談社本田靖春ノンフィクション賞は、社会的なテーマや真実を追求する作品に贈られる名誉ある賞であり、この受賞により作品がより多くの人々に読まれることを期待しています。

刊行前の段階で、すでに第10回「シベリア抑留記録・文化賞」も受賞しており、今年の夏に向けて話題の作品となることは間違いありません。

本書の内容



石村博子の『脱露シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』では、シベリア抑留者の多様な物語が描かれています。失われた時間、故郷への思い、再会の苦悩、そしてその中で彼らがどのように生き続けたかが語られています。

この本の中には、密航してシベリアに送られた少年の物語や、故国の地を踏むまでに40年の歳月がかかった人々の姿が描かれています。彼らはシベリアで拘束されるだけでなく、長い間忘れ去られる存在だったのです。

著者は、資料の少なさゆえに鮮明に記録されなかった彼らの苦難をさらに掘り下げ、忘れ去られた歴史を浮かび上がらせました。この作品は、単なるノンフィクションにとどまらず、感情を揺さぶる力を持っています。

結論



今回の受賞は、多くの読者にシベリア民間人抑留の現実に目を向けさせるきっかけになるでしょう。石村の8年にわたる取材の成果が、高く評価されたことは、今後の歴史教育やジャーナリズムにおいても非常に意義深いものとなることでしょう。言葉では語られなかった多くの人々の物語を、ぜひ手に取って読んでみてください。


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