新刊『ざんねんなのりもの事典』の魅力
2024年8月26日に発売される『ざんねんなのりもの事典』は、愛すべき乗り物たちをフィーチャーした新しい書籍です。この本では、「ざんねん」と表現される乗り物たちが、どのようにして誕生し、なぜ期待に応えられなかったのかを深掘りして紹介します。
「ざんねん」とは?
「ざんねん」な乗り物とは、一言で言えば、時代やニーズとのズレにより十分な活躍ができなかった乗り物のことです。登場してきた乗り物たちは、必ずしも性能が劣悪だったわけではありません。実際には、超音速旅客機のコンコルドや高速鉄道の500系新幹線、そして宇宙へと羽ばたいたスペースシャトルなど、未来の技術を体現したものも含まれています。ですが、これらはその期待とは裏腹に短命であり、それが「ざんねん」の由縁なのです。
人間の生き様にも通じる背後
本書に登場する数々の乗り物たちには、それぞれに残念となった理由があります。見た目は美しいのに壊れやすい、製造コストが高すぎて利用料金が割高、かえって使い勝手が悪いなど、さまざまな理由が積み重なった結果です。こうした乗り物たちの姿は、何か人間の生き方とも似ている部分があるように思えるのです。
例えば、コストが問題となり運用が困難だったスペースシャトルのケースは、その技術力の高さから期待されながらも社会の需要に応えられなかったという点が「ざんねん」と感じられます。
応援したくなる存在
「ざんねんなのりもの」は決して失敗作ではなく、利用者や開発者の思いを乗せて造られています。それゆえに、本書では開発にかける情熱や利用者の視点に立ち、各乗り物をイラスト付きで丁寧に紹介しています。一台一台が持つ物語が展開され、読者はいつしかこれらの乗り物たちに応援の気持ちを抱くことでしょう。
多彩なコンテンツ
本書は5つのパートに分かれ、各乗り物に関する深い理解を促します。例えば、パート1では「出過ぎた杭は打たれまくった」乗り物たちを特集。コンコルド旅客機をはじめ、500系新幹線や2階建てバス「ルートマスター」など、実際に多大な期待を背負った乗り物を取り上げています。
パート2では「生まれたときからざんねん」と題し、製造当初から何かが足りなかった乗り物たちに焦点を当てます。これらの乗り物には、その技術やデザインに夢を託した開発者たちの心が込められています。
パート3では「本気なのにざんねん」と題し、三菱スペースジェットを始めとする、真剣に製造されたがゆえに残念な結果に終わった乗り物たちを紹介。
生活に寄り添った乗り物たち
さらに、パート4では「彼らの居場所が狭い」とし、改良が難しくなった乗り物について深く掘り下げています。これにより、乗り物たちの歴史や現状を理解し、彼らの存在意義を再評価することができるでしょう。
まとめ
『ざんねんなのりもの事典』は、乗り物に興味がある方々にとって必見の一冊です。この本を通じて、これまでの乗り物の多様性と、その裏にある人間ドラマを知り、理解を深めることができるでしょう。そして何より、これらの「ざんねん」な乗り物たちが生まれた背景や情熱を感じ取り、彼らの存在に共感を寄せたくなるオススメの書籍です。ぜひ手に取ってみてください!