肌バリア機能の新成分
2022-06-23 14:00:05

大阪大学とマルホが発見!肌バリア機能改善の新成分とは

最近、大阪大学大学院薬学研究科とマルホ株式会社の共同研究によって、皮膚のバリア機能を改善する有望な成分が発見されました。この成果は、主に核内受容体PPARα(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α)の活性化を通じて実現されました。

皮膚は表皮によって形成され、そのバリア機能が重要です。正常なバリア機能が維持されていると、肌は十分な水分を保つことができますが、これが損なわれると乾燥や荒れ肌につながります。PPARαは表皮に存在し、ケラチノサイトの分化やバリア機能の維持に寄与しています。このため、PPARαの活性を調整することで皮膚機能を改善できる可能性があるのです。

今回の研究では、大阪大学で独自に開発されたPPARα活性化因子スクリーニング細胞株を用いて、約500種類もの自然由来エキスの中から、PPARαを活性化する36種類の成分を特定しました。
その中でも特に注目されたのが「ヒメガマホエキス」です。このエキスはPPARαに対して特異的な作用を示し、濃度依存的にその活性が高まることが確認されました。この発見は、ヒメガマホエキスがPPARαリガンド活性成分を含むことを示した初めての研究結果となります。

さらに、ヒメガマホエキスは、正常なヒト表皮角化細胞においてPPARαの標的遺伝子の一つであるペリリピン2(PLIN2)や、皮膚のバリア機能や保湿に関与するアクアポリン3(AQP3)、ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)、硫酸基転移酵素2B1b(SULT2B1b)などの遺伝子の発現を増加させることも確認されました。

これにより、PPARαの活性化は皮膚の脂質合成、バリア機能の向上、さらには肌の炎症抑制に寄与することが期待されます。特に、AQP3は真皮から表皮へ水分やグリセリンを輸送し、表皮の脂質合成量を増加させる役割があります。また、HAS3はヒアルロン酸を合成し、水分を保持する働きがあります。

本研究の中では、ヒメガマホエキスと他の活性を示した植物エキスとの組み合わせについても調査が行われました。その結果、ヒメガマホエキスと甜茶エキスの組み合わせが特に高いPPARα活性を示したことが報告されています。

今回の研究は、日本学術振興会(JSPS)の各プロジェクトの支援を受けており、今後の皮膚科学の発展に寄与することが期待されています。マルホ株式会社は1915年創業で、現在も医療用薬品の研究開発を行っております。
詳細はマルホ株式会社の公式サイトをご覧ください。

会社情報

会社名
マルホ株式会社
住所
大阪府大阪市北区中津1丁目5-22マルホ株式会社
電話番号
06-6371-8876

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