郁文館グローバル高等学校が「IELTS推進校」に認定
2023年10月、オーストラリア・メルボルンに本社を置くIDP Educationは、郁文館グローバル高等学校(IGHS)を「IELTS推進校」として正式に認定しました。これは、同校がグローバル教育と進路指導を自校の教育方針に体系的に取り入れていることが評価された結果です。
IELTSの重要性と受験者数の増加
IELTS(International English Language Testing System)は、世界中で英語を学ぶ多くの学生に受験されているテストであり、最近では日本でも高校生の受験者数が急増しています。IDP Educationは、2023年からIELTSを軸にした教育を行う学校を認定する制度を設け、その中で郁文館グローバル高等学校は特に優れた成績を収めている学校として選ばれました。
英語教育の成果を数値で示す
郁文館グローバル高等学校では、IELTSを教育のKPI(重要業績評価指標)として採用しており、過去3年間で海外大学への合格者数が約6倍に増加しました。2022年度卒業生の中では、入学時にしかも4%の生徒がIELTS5.5レベルに達していたのに対し、卒業時には約80%が同レベルを達成しました。この数値は、学校の英語教育の取り組みが実を結んでいることを示しています。
2025年には、卒業生の約40%が海外大学へ進学し、入学の難しい国際系大学への合格者も輩出しています。特に、THE世界大学ランキングTOP100に28名、TOP400には60名以上の合格者を出すなど、その実績は目覚ましいものがあります。
充実したカリキュラム
郁文館グローバル高等学校は2026年度に向けてカリキュラムを大幅にリニューアルし、国際教員によるイマージョン教育を中心としたプログラムを導入します。HonorsクラスとLiberal Artsクラスの2つのコースでは、IELTSを目指して全生徒が高校3年間にわたり数回の公式試験を受験する機会が与えられます。
特にHonorsクラスでは、米国の有名高等学校とのデュアル・ディプロマ・プログラムを展開し、Liberal Artsクラスでは日本語と英語を融合させた探究型の学習が行われます。このような国際的な教育環境は、生徒がグローバルな進路選択を行う上で非常に重要です。
IELTSの評価基準をカリキュラムに組込み
郁文館グローバル高等学校では、IELTSに基づく授業設計を行い、アカデミックな英語力や多様なスキルを教育全体に取り入れています。山名和樹統括主任は、「ただの試験対策ではなく、生徒が海外大学で活躍するために必要な学術的リテラシーを育成することが目標です」と話しています。
「Essay Writing」や「Debate & Discussion」などの授業では、IELTSの評価基準を参考にした指導が行われ、論理的思考力や表現力が鍛えられています。また、イマージョン授業科目では、英語の聞き取りやノートテイキングの訓練を通じて、実践的な英語力を高めることが重視されています。これにより、生徒は自分の能力を最大限に発揮できるようになります。
放課後のサポートと個別指導
特にHonorsクラスでは、放課後にIELTSに特化した集中サポートが行われています。生徒のレベルに応じた支援が提供され、受験に向けた準備がしっかりと行われます。一方、Liberal Artsクラスでは2年次の夏に初めてIELTSを受験する際、午後や長期休暇中に集中的な講座が開催されるなど、後押しが行われています。
両クラス合同での大学出願に向けた強化講座も設けられ、国際教員がエッセイ添削やスピーキング練習を行います。このような充実したサポート体制は、生徒が自分の目標達成に向けて意義ある支援を受けられる環境を整えています。
未来を見据えた郁文館グローバル高等学校
郁文館グローバル高等学校の教育理念は、「世界地図から進路を選ぶ」というものです。英語力の向上に努めるだけでなく、国際的な視野を持つ人材を育成することが目指されています。特に、日米デュアル・ディプロマ・プログラムの導入やIELTSを活用した教育方針は、今後の教育の在り方を示す重要な取り組みと言えるでしょう。
最後に、IDP Educationの日本統括責任者である市川智子さんは、「郁文館グローバル高等学校の取り組みは、必ずや生徒たちの未来に寄与するでしょう」と期待を寄せています。今後も郁文館グローバル高等学校が展開する教育活動に注目が集まります。