コロナと身体活動
2021-06-22 10:36:17

新型コロナ時代における身体活動の重要性と最新研究の紹介

新型コロナウイルスと身体活動の現状



新型コロナウイルス(COVID-19)は、私たちの生活にさまざまな影響を及ぼしました。特に、感染拡大以降、多くの人々の身体活動は著しく減少し、その結果、健康に対する二次的な影響が懸念されています。これは、心身の健康を維持するために重要な問題であり、関係者の取り組みが求められています。

身体活動不足の公表と対策



2020年の4月、日本運動疫学会は「公式声明:新型コロナウイルス感染症流行下の身体活動不足・座りすぎ対策」を発表し、COVID-19によって引き起こされる身体活動の減少について警鐘を鳴らしました。これにより、行動に制限をかける対策が進められるようになり、行政や企業には適切な健康支援策の実施が強く求められています。市民に対する運動指導も重要であり、そのためには科学的根拠に基づくエビデンスの理解が必要です。

エビデンスの収集と提供



新型コロナウイルスの影響に関しては、国内外で多くの研究が進められ、急速にエビデンスが蓄積されていますが、その情報は一元化されていないのが実情です。特に、英語で書かれた学術論文は、研究者以外には入手が難しいため、日本運動疫学会は2021年から「COVID-19と身体活動ワーキンググループ」(WG)を設置し、関連情報を集約しています。このWGは、慶應義塾大学の小熊祐子准教授を代表として、各地の研究者が協力しながら、COVID-19と身体活動に関する研究を収集し、学会の公式ウェブサイトで公開しています。

2021年6月23日の時点で、38編の研究や事例が掲載されており、今後も定期的にアップデートが行われる予定です。これにより、健康づくりに取り組む人々や運動指導者が、効果的な施策を講じるための重要な情報源となっています。

身体活動と健康への影響



特に注目すべきはCOVID-19が身体活動にどのように影響を与えるのかという点です。研究によれば、感染症の拡大により、多くの集団—たとえば、子供や勤労者、高齢者、障害者など—で身体活動が減少し、座っている時間が増加していることが分かっています。この身体活動の減少は、心理的健康に深刻な影響を及ぼしており、特にメンタルヘルスに対する悪影響が顕著です。

また、身体活動が多い人々はCOVID-19に感染した場合でも重症化や死亡リスクが低いことが示されており、日常的な運動がいかに大切であるかを裏付ける研究結果です。さらに、多くの団体が自宅でできる運動や健康的なライフスタイルを推奨するガイドラインを発表しているため、効果的に取り組むことができる情報が増えてきています。

学術総会とシンポジウムの開催



2021年の学術総会では、COVID-19に関連するシンポジウムも企画されており、参加者は最新の研究結果を聞く貴重な機会を得ることができます。参加はオンラインと対面式が併用され、メディアからの取材も受け付けています。これによって、広く一般に対して身体活動の重要性がアピールされています。学術総会は、2021年の6月26日と27日に武庫川女子大学で開催されます。多様な専門家による講演が予定されており、興味深い情報が得られることでしょう。

新型コロナウイルスによる身体活動への影響は深刻ですが、正しい知識と積極的な取り組みによって、健康を維持する道筋を見つけることができます。次回のシンポジウムを通じて、多くの人にその大切さを知ってもらうことが望まれます。

会社情報

会社名
日本運動疫学会
住所
埼玉県所沢市三ケ島2-579-15早稲田大学スポーツ科学学術院内
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