米ノースカロライナ州ダーラムで新たな集合住宅の開発
住友林業株式会社の100%子会社であるCrescent Communities, LLC(クレセント社)が、米ノースカロライナ州ダーラム近郊に新しい賃貸用集合住宅を開発します。総戸数400戸から成るこのプロジェクトは、地域の多様な住宅ニーズに応えることを目指しており、2024年12月の着工を予定しています。
開発の概要と特徴
本物件は「NOVEL UHill」と名付けられた賃貸用集合住宅で、1階は鉄筋コンクリート造、2階から6階までは木造の混構造を採用しています。特に木造部分には、木材のCO2吸収の特性を活かした設計が施されています。このアプローチにより、コスト削減はもちろん、建設過程でのCO2排出量も抑えられるという利点があります。
さらに、本物件では建てる際のCO2排出量を精緻に算定できるソフトウェア「One Click LCA」を利用し、ライフサイクル全体にわたる炭素の固定量も可視化します。これにより、環境に優しい住まいを求める入居者に対してもアピールが可能です。
ターゲット層と生活空間
このプロジェクトは、ダーラム地域で学ぶ学生や働く若年層を主なターゲットとしています。様々な住宅タイプが用意されており、スタジオタイプから1~3ベッドルーム、さらにはタウンホームまで多様な選択肢が提供されます。また、コーヒーショップやスカイラウンジ、フィットネスセンターなど、多数の共有スペースが設けられ、一人暮らしからファミリー層までさまざまなライフスタイルに対応可能です。
立地の利点
本物件は「リサーチトライアングル」と称されるエリアに位置しており、有名なデューク大学やノースカロライナ州立大学、ノースカロライナ大学チャペルヒル校に近接しています。この地域にはITやライフサイエンス分野の企業が300社以上集まっており、経済的な成長が期待されます。ダーラムのダウンタウンやデューク大学病院まで車で約10分、教育機関や雇用地へのアクセスが非常に良好です。
また、周辺には大型の商業施設や飲食店が豊富にあり、生活の利便性も抜群です。ノースカロライナ州は法人税率を引き下げる政策を進めており、今後の企業進出や人口増加による経済成長も期待されます。
開発のスキームと今後の方針
本プロジェクトは住友林業の100%子会社であるクレセント社と、九州電力の現地法人、NECキャピタルソリューションの現地法人が共同で運営します。住友林業は、「Mission TREEING 2030」を掲げ、木材を軸とした様々なビジネスを推進しており、資源の有効活用を通じた環境への寄与も重要なテーマとしています。
米国における賃貸用集合住宅開発は非常に成長しており、住友林業グループの構想にはさらに多くの案件が期待できます。社会全体の脱炭素化に貢献するため、今後もこの方向性を強化していく計画です。
まとめ
住友林業が手がける新たな賃貸用集合住宅「NOVEL UHill」は、エコフレンドリーな設計や快適な生活空間、多様なニーズに対応するための高品質なアメニティを備えた魅力あるプロジェクトです。今後の展開に期待が寄せられています。
物件概要
- - 物件名:NOVEL UHill
- - 所在地:3737 Durham Chapel Hill Blvd. Durham, NC 27707
- - 賃貸床面積:34,764m2
- - 住戸数:400戸
- - 構造・工法:1階は鉄筋コンクリート造、2~6階は木造
- - 着工:2024年12月
- - 賃貸開始:2026年11月