障がい者アートが生み出す新たな価値—アップサイクルツリーの挑戦

2025年10月28日と29日に名古屋市で開催された「FOODBIZ SUMMIT NAGOYA2025」で、特定非営利活動法人インクルーシヴ・ジャパンが「アップサイクルツリー」プロジェクトに参加しました。このプロジェクトでは、これまで捨てられてしまう運命にあった資源や素材に障がい者アートを融合させ、新たな価値を生み出す試みが行われました。

アップサイクルツリーの趣旨

今回の「アップサイクルツリー」は、持続可能な食の未来をテーマにしたアートプロジェクトであり、捨てられるものに新たな魅力を加える「アップサイクル」という手法を採用しています。一般社団法人アップサイクルや多くの企業・団体・個人が連携し、名古屋市の展示会場に設置されました。

インクルーシヴ・ジャパンの役割

インクルーシヴ・ジャパンは、使用された後の紙資源や間伐材を再利用し、「アップサイクル水引」を製作することで、このプロジェクトに貢献しました。これにより、障がいを持つ方々が制作したアート作品が展示され、彼らの活動が広く認知される機会となりました。

制作には、「東京水引」ブランドのアーティスト、中村江美さんによるワークショップが含まれ、障がい者アーティストたちは伝統的な結び方を学び、自身の感性を生かしたオーナメントを創り上げました。このように、インクルーシヴ・ジャパンはアートの創作を通じて、就労機会を提供するだけでなく、資源循環や障がい者アートの魅力を発信する役割を果たしています。

アップサイクルツリーの素材提供

プロジェクトには多くの企業や団体が参加しました。たとえば、TSUMUGIからは紙資源や間伐材を使用した糸や生地が提供され、株式会社折兼はバガス容器を提供しました。一方、Nhes.は自然に還る素材の歯ブラシを提供し、児玉ゴム商会はゴムや生地を用いてオーナメントを制作しました。

食の未来へのメッセージ

各素材の特性を活かした円形の装飾物を中心にデザインされたアップサイクルツリーは、資源の循環と持続可能な社会の重要性を感じることができる作品となりました。

今回の展示は、障がい者アートの魅力を伝えたり、持続可能な資源活用の意識を高めたりする良い機会となったのです。また、展示は入場無料であり、訪れることができた人々にとって、貴重な体験となりました。

インクルーシヴ・ジャパンの今後の取り組み

インクルーシヴ・ジャパンは、カフェ「ART CAFÉ Inclusive supported by NESCAFÉ」を通じて、障がい者の社会参加を支援しています。また、新たに愛媛県内における就労継続支援B型事業所の設立も計画しており、より多くの障がい者が社会で活躍できる機会を増やすことを目指しています。

持続可能な社会を実現するための取り組みとして、アートと障がい者支援は今後も進化し続けることでしょう。地域の皆さんと共に、未来の食とサステナブルな社会の形成に寄与することを期待しています。

展示は終了しましたが、今後もインクルーシヴ・ジャパンの活動とその成果にぜひご注目ください。