いのち会議が目指す新たな社会の姿
2025年、大阪で開催される関西万博に合わせて発表された「いのち宣言」と「アクションプラン集」。この中に示された「103のアクション」の一つが、どの国や環境でも、学びや働きによって得た知識や能力、信用が正当に評価される社会の実現です。これを実現するためには、個人が「好きで得意な道」を選びやすくするための仕組みが必要不可欠です。
働きがいと評価の課題
最近の調査によると、多くの人々が「働きがい」に悩んでいることが示されています。この問題の解決には,個人の「好き」と「得意」をきちんと職業に結び付けることが重要です。しかし、「好き」という感情は主観的であり、評価が難しい一方、「得意」という能力は客観的に見える必要があります。そのため、国や地域を越えて通用する基準やルールを整えることが求められています。
高等教育と国際的な証明
いのち会議は、2050年に向けて、学びや働きの中で得られた知識や能力、信用が誰にでも分かる形で示される社会を目指しています。このためには、教育や働き方に対する考え方の変化が必要です。また、リアルとデジタルの空間での人の流動化の促進が、個々の「いのち」の輝きや社会全体の活性化につながると信じています。
インターネットというグローバルなネットワークは、国境を超えた新たな社会基盤を提供しており、「第八大陸」とも称されるデジタル空間では、今後さらに重要な役割が期待されています。逆に、デジタル空間において適正な評価が行えるように、安全で信頼できるコミュニケーションの枠組みを整備することが不可欠です。
合意形成のハードルを超える
この新たな枠組みを実現するためには、以下のような複数の課題に対処する必要があります:
- - 知識・能力・信用証明の互換性のある承認の枠組みの確立
- - 証明書発行者と利用者の信頼性を担保するための制度の整備
- - 技術仕様の相互運用性の確保
特に教育分野では、国際的な高等教育資格認定の整備が注目されています。現在、日本において公式に認められた学位や職業資格の枠組みは存在しませんが、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構がUNESCOの規約をもとに、教育資格に関する試案をまとめています。
具体的なアクションプラン
いのち会議は、SIDI(Sustainable and Interoperable Digital Identity)Hubなどの国際的なプラットフォームに参加し、国際標準化に向けた議論を進めています。同時に、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社と連携し、国内外の学位や職業資格の相互運用化を目指した研究も進行中です。これにより、情報の信頼性や多言語対応を考慮しつつ、国際的な技術標準に基づく実装の標準化を進めています。
結論
「いのち会議」はこれらの取り組みを通じて、一人ひとりが自分の「得意」を見える化し、それをもとに社会での活躍を目指すための支援を行っています。働きがいと個の成長を両立させるために、新たな社会の仕組み作りは急務です。今後のアプローチがどのように進展するか、目が離せません。