琴桜将傑関が初の栄冠、報知年間最優秀力士賞
2024年1月の初場所で、琴桜将傑関が第67回報知年間最優秀力士賞に輝くことが発表されました。九州場所での初の幕内優勝と、年間最多勝66勝という素晴らしい成績が評価され、見事に初受賞を果たしました。表彰式は来年の1月12日、初場所初日の土俵で行われる予定です。
選考のプロセス
選考会では、報知新聞社の選考委員の間で議論が交わされ、琴桜関と大の里との間で接戦が繰り広げられました。琴桜が66勝を挙げ、年間最多勝に輝いたものの、大の里も年間優勝回数が最多タイの2回に加え、勝ち星も1差での2位。委員たちは甲乙つけがたい状況の中で、最終的には5人中3人の委員が琴桜を支持し、受賞が決まりました。
能町委員は「最初から上位にいて成績を残したのが琴桜」と述べ、琴桜の安定感を評価。直近の九州場所での14勝も大きなポイントでした。依田委員も「大関として5場所、成績を残した」と称賛しました。一方で大の里も、新入幕からの活躍が50年に1人の価値を持つとの評価を受け、惜しくも受賞を逃しましたが、彼の実績には遜色がないとの声が多く挙がりました。特に、石川県出身の大の里の活躍が、能登半島地震の被災地に勇気を与えたことも高く評価されました。
琴桜のプロフィール
琴桜将傑(ことざくら・まさかつ)関は、本名を鎌谷将且(かまたに・まさかつ)といい、1997年11月19日に千葉県松戸市で生まれました。27歳の彼は、2歳から相撲を始め、埼玉栄中学・高校を経て、2015年に佐渡ケ嶽部屋での初土俵を踏みました。その後、19年には新十両に昇進、20年春には新入幕を果たし、23年の初場所では新小結に昇格を果たしました。そして名古屋場所で関脇に昇進し、24年春場所で新大関に昇格しました。「琴桜」という名は彼が夏場所で改名した際のものです。彼の得意技は右四つ、寄り、押しであり、趣味は音楽鑑賞です。
選考委員の面々
選考会では、金属工芸家で前文化庁長官の宮田亮平氏、立飛ホールディングス執行役員の刈屋富士雄氏、文筆家の能町みね子氏、報知新聞社代表取締役社長の依田裕彦氏、報知新聞社執行役員編集局長の柳沼雅裕氏が参加。彼らの専門的な意見が、選考の公正さを強調しました。
琴桜関が受賞したことは、彼にとって新たなステップとなります。今後の相撲界でも活躍が期待されます。