FPTとデンソー、MOUを締結し自動車の未来を形作る
グローバルなITサービスプロバイダーであるFPTコーポレーションは、愛知県刈谷市に本社を持つデンソーと自動車業界における新たな取り組みを開始しました。この提携は、先進的なソフトウェア定義車両(SDV)の開発を加速させることを目的とした覚書(MOU)の締結に結びつきます。両社は、次世代の自動車技術を共同で進めることで、より安全でコネクテッドな未来の交通システムを目指します。
知識を結集し、次世代の自動運転技術を目指す
FPTとデンソーの提携は、特に先進運転支援システム(ADAS)の開発に焦点を当てています。両社は、2027年末までにグローバルな開発体制を構築し、高速かつ高品質なソフトウェアを提供する計画です。このプロジェクトには、5,000人規模の専門家集団が参加し、自動車業界における20年の経験を活かしていきます。FPTは、自社のAI技術を駆使し、デンソーの提供するリソースと共同で具体的な開発計画を策定していきます。
さらに、両社は人材開発のためのオフショア開発センターも設立する予定で、ここではエンジニアの教育やトレーニングが行われる見込みです。このセンターでは、FPTがAIエンジニアを提供し、デンソーは必要なトレーニングプラットフォームを構築すると言います。
モビリティ未来への強いコミットメント
FPTコーポレーションの取締役会長であるチュオン・ザー・ビンは、「自動車業界はイノベーションの岐路にあり、モビリティの未来はソフトウェア、インテリジェンス、コネクティビティによって定義されます」と語ります。また、この提携がグローバルなイノベーションを促進し、持続可能なテクノロジーの未来を構築するものだとも強調しています。
過去にもFPTとデンソーは2017年に提携を開始し、ITサービスとデンソー・ジャパンの社内システムの開発に協力してきました。この成功を基に、提携範囲はデンソーUSにも拡大されました。FPTのデンソーのベトナム工場におけるデジタル変革が、今回の戦略的発展に繋がったことは大きな成果です。
企業の歴史と未来
ベトナムに本社を持つFPTコーポレーションは、創立から30年以上の歴史を持ち、テクノロジーやIT、教育を主要事業として展開しています。2023年には売上高21億700万USドルを達成し、従業員数は4.8万人に達するなど、着実に成長を続けています。
一方、デンソーは、先進的な自動車技術を基に、6つのコア事業領域において「環境」「安心」といった価値を提供しています。両社の提携が、今後のモビリティ革命にどのように寄与していくのか、多くの期待が寄せられています。