ソニー銀行、独自ブロックチェーンを用いた実証実験開始
概要
ソニー銀行株式会社は、シンガポールのCAUCHYE ASIA PTE. LTD.が提供するブロックチェーン「Sunrise」の技術を通じて、金融機関における独自ブロックチェーンの活用に関する実証実験を開始しました。この取り組みは規制遵守や利用者保護を重視しており、今後のweb3サービスの展開に向けた重要な一歩となります。
実証実験の目的
今回の実証実験では、以下のテーマに沿って研究が進められます。
1.
技術的および法的課題の洗出し:独自ブロックチェーンを用いる場合の現行規制との整合性や、プライバシー・セキュリティの整備に向けた課題を洗い出します。この中には、Sovereign Rollupの活用やForce Txを防ぐアーキテクチャの検討も含まれます。
2.
ステーブルコインの利活用特化:金融機関特有の要件を満たした独自チェーンの開発も目指します。
3.
Soneiumとの相互運用性:ソニーグループが提供するSoneiumとの連携を確認し、相互運用性の実現を見据えます。
4.
DeFiサービスの提供に向けた検討:顧客への流動性を活用したDeFiサービスの提供に関する論点を整理します。
背景
現在、web3の経済圏は急速に広がっていますが、同時にマネー・ローンダリングやテロ資金供与に対する対策も急務となっています。これにより、金融機関がブロックチェーンを利用する上での法的整理や利用者保護が大きな課題として浮上しています。ソニー銀行はこれらのリスクを適切に管理しつつ、安全で便利なブロックチェーンサービスの拡大を図るため、実証実験を通じて課題解決に取り組みます。
「Sony Bank CONNECT」の展開
また、ソニー銀行は昨年より「Sony Bank CONNECT」というweb3エンターテインメント向けのアプリを展開しており、利用者の安全性を確保した上で新たな体験を提供しています。今回の実証実験も、同アプリとの接続を目指して進められていく予定です。
CauchyEとSunriseの紹介
CauchyEは独自のブロックチェーン「Sunrise」の開発を進めています。このブロックチェーンは、金融機関向けの特化型であり、Proof of Liquidityを中心に構築されています。これにより、データの可用性や流動性に優れたプラットフォームを提供することが期待されています。今回の実証実験は、CauchyEの技術力を証明するまたとないチャンスと言えるでしょう。
まとめ
ソニー銀行の独自ブロックチェーンに関する実証実験は、金融業界の未来を見据えた取り組みです。規制遵守や利用者の安全を最優先に、新たな技術の可能性を探る姿勢は、今後の金融サービスにおいても大きな影響を与えるでしょう。実証実験の成果が、どのように新しい金融エコシステムの開発へと繋がるのか、今後の進展が楽しみです。