沖縄県多良間村での自動運転システムを紹介
2025年8月6日、沖縄県宮古郡多良間村で、注目の自動運転システム「YADOCAR-iドライブ」を搭載した4人乗り電動カートの出発式が開催されました。このプロジェクトは沖縄県の「自動運転交通サービス社会実装推進プロジェクト」の一環で、多良間村が主導する形で進められています。目指すは、離島での持続可能な公共交通の実現です。
出発式の様子
出発式では、多良間村長伊良皆光夫氏を含む多くの関係者が出席しました。彼は「住民の足を確保する大切な実証であり、運行状況を共有し協力を強めていきたい」と挨拶し、自動運転カートによるデモ走行を披露しました。この無人運転の走行は、参加者たちに次世代交通のビジョンを強く印象づけました。さらに、プロジェクト全体を統括する日比野直彦教授からもプロジェクトの意義や安全管理体制について説明があり、地域の皆さんの理解が深まりました。
YADOCAR-iドライブの技術
YADOCAR-iドライブは、特に離島の特性に配慮した設計がされています。高精度なGNSS測位アルゴリズムやLiDAR、IMUなど、最新技術を駆使したこれらのシステムは、狭い路地でも安全に運行できるよう工夫されています。また、経済的な負担を軽減した低廉自動運転構造も特徴の一つです。
- - 運行方式:初めはレベル2運行で運行開始し、将来的には無人運転であるレベル4を目指しています。
住民参加型のイベント
出発式の後、村民との意見交換会や試乗会も行われました。このワークショップ形式の意見交換会では、運行ルートやサービス向上のための貴重な意見が出され、地域のニーズをしっかりと反映した形で発展させていく重要な機会となりました。試乗会では、実際にカートに乗車し、その安全性や操作感に関するリアルなフィードバックをもらいました。さらに子どもたち向けの体験会では、彼らが自作したコースをカートに転送し、楽しみながらロボット技術やプログラミングへの興味を育みました。
今後の展望
今後は住民の意見を受けて継続的な改善を行い、無人運転による省人化やコスト削減を実現することを見込んでいます。将来的にはEVバスとの連携や、中山間地域への展開も視野に入れています。プロジェクト責任者である東海クラリオン株式会社の安部源太郎代表取締役は、「住民の皆様の温かい協力があってこそ実現した。この成功を基にして、全国の島々に持続可能で安心できる自動運転サービスを広げていきたい」とコメントしています。
まとめ
現在の試行段階を経て、この自動運転システムが地域の交通需要に応え、持続可能な交通モデルとして根付いていくことが期待されています。多良間村が未来の交通の一端を担う存在となることを、私たちも見守っていきたいと思います。