TICAD9におけるAIとアフリカの高等教育の重要性
2025年8月20日から22日、横浜市のパシフィコ横浜にて、「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」が行われました。この会議は日本政府が主導し、国連や世界銀行と共にアフリカの発展を議論する重要なイベントです。約50カ国の首脳が参加する中、岡山大学の横井篤文副学長は、「人工知能とアフリカの高等教育: 持続可能な進歩のためのイノベーションの推進」と題した基調講演を行いました。
このセッションは国連大学が主催し、エジプト大使夫人でAI専門家のハナン・ファドローン氏が司会を務めました。横井副学長はユネスコチェアホルダーとして、AIの倫理的な側面や文化的背景について語り、AIが単なる技術的な課題でなく、デジタル主権や文化的正義に関わる問題であると強調しました。
AIとアフリカにおける教育の課題
AIはアフリカの高等教育に新しいチャンスを提供する可能性を秘めていますが、同時に課題も存在します。横井副学長は、アフリカの人々が自身のための技術を開発する必要性を訴えました。特に、アフリカの文化や言語に基づくAI技術の開発が不可欠であり、そのために日本とアフリカの大学間での連携と人材育成が一層重要になるとの認識を示しました。
基調講演後のパネルディスカッションでは、AIを活用した教育ツールへの公平なアクセスの促進や、国家開発の優先度、持続可能性を考慮した政策提言が行われました。
岡山大学の取り組み
岡山大学は、「持続可能な開発のための教育(ESD)」に力を入れており、ユネスコが提唱する「ESD for 2030」の理念に基づく取り組みを通じて、地域から地球社会へと貢献しています。「岡山ESD」として知られるこのプロジェクトは、グローバルな視点から持続可能な社会の実現を目指しています。
AIの進展は、今後の教育がどう進化していくかに大きな影響を与えます。岡山大学は引き続き、地域の中核的な研究大学として、AIによる高等教育の発展を支援し続けていく方針です。
参照情報
岡山大学は地域に根ざした研究を進め、持続可能な未来を共に創造するための活動を続けていくことに期待が寄せられています。