年収1000万円超の人々が持つアートとの向き合い方とは

秋の新たな習慣を見つける

残暑が続く9月も終わりに近づき、季節が秋に移り行く様相を見せています。私たちの心も徐々に秋色へと塗り替えたいところ。食材も秋の味覚が豊富になり、特に秋刀魚の漁獲量が増えているのが嬉しいニュースです。この時期は「読書の秋」や「芸術の秋」と称されることも多く、私たちの心の栄養となるアートや教養を意識して触れる絶好のチャンスです。

こうした背景の中、株式会社ミズカラが行った調査に注目が集まっています。調査は、25歳から59歳の働く男女500名を対象に、アートや教養へのアプローチと年収、幸福度との相関を探ったものです。この結果から、年収1000万円を超える人々が持つ、アートに対する態度や目的意識には興味深い差が見られました。

アートへの意識の違い

調査によると、年収1000万円を超える層は、アートや教養に対し、より明確な目的意識を持っている傾向が顕著です。「人としての深みや教養を増したい」と答えた人が18.1%、また「仕事の成果に結び付けたい」と考える人が14.9%見受けられました。その一方で、350万円から500万円の年収帯の人々は、おおよそ30%がアートや教養を「ストレス発散や気分転換」として利用しているとの結果が出ています。つまり、同じアートを見ても、視点や目的が異なることで得られる学びや収穫が変わってきます。

● 接触時間と量の差

また、年収層によってアートや教養に触れる「量」、つまり接触時間にも差があることが判明しました。年収1000万円超の層は、より多くの時間をアートや教養に投資し、単にビジネス書だけでなく、文学や人文科学の教養書にも積極的に目を通しています。忙しい生活を送るエリート層であっても、必要性を感じるからこそ、その時間を確保しようと努めているのです。

さらに、彼らはインプットした知識を創作活動やオンライン学習を通して能動的にアウトプットする姿勢も示しています。変化の激しいVUCA時代において、新たな思考体系を実装することが求められる中、特にエリート層はその準備をすばやく整えているのです。

幸福度とアートの相関

調査ではアートや教養を通じて「精神的な充足感」を得ていると答える層も多く、年収に関係なく20%から25%の人がそう感じているとのこと。しかし教師や専門家がアートの重要性を説く一方、実際にアートが人生の幸福度にどのように影響を与えているのでしょうか。

調査の結果、幸福度が高い人ほどアートを重要視する傾向が見え隠れしました。アートや教養を通じて得た洞察が自己の仕事や人生に応用されることで、普段の視点では気づけなかった発見に繋がります。この循環が自己成長を促し、日々の充実感や豊かさを増すのです。

意義ある秋に向けて

アートや教養は、一見高尚な趣味のように思われがちですが、実際は私たちの日常生活と密接に結びついています。日常の出来事や人間関係を題材に、優れた視点や感性でそれらを形にしたものがアートや教養です。これを通じて人生や人間の本質を感じることは、著名な作家や芸術家の経験を自分のものにする、言わば贅沢な内面的旅となります。

近い未来にはAIと共存する時代が訪れる中、私たちの役割は「感動を与えること」になるでしょう。なぜ作品が心を打つのか、どんな感情が価値観を揺さぶるのかを考察することは、豊かな趣味であるだけでなく、未来へ向けた準備運動でもあります。この秋、アートとの新しい向き合い方を見つけることで、人生全体の充実度を高めていきましょう。