アンドエスティ、Riskified導入でEC不正対策を強化
2025年8月、株式会社アンドエスティは、イスラエルのRiskified LtdのAIを活用した不正検知ソリューションを導入したと発表しました。この取り組みは、日本国内におけるEC事業の不正防止を一層推進し、進化する決済認証環境に対応することを目的としています。
Riskifiedは、多数の大手ファッションブランドや小売業者に採用されているSaaS型のリスクインテリジェンスプラットフォームです。アダストリアグループの人気ブランド、例えばGLOBAL WORKやniko and … LAKOLEなどのEC事業において、これまでの全てのオーダーに対して3Dセキュア方式(本人認証)を適用していましたが、これには一定の効果はあるものの、全体のコンバージョン率の低下や顧客体験の悪化といった問題も抱えていました。
今回のRiskified導入により、アダストリアは3Dセキュアを適用しつつ、柔軟な運用が可能な包括的な不正対策を実現しました。具体的には、アクワイアラ(加盟店契約会社)との連携を通じて、必要な取引にのみ3Dセキュアを適用することで、セキュリティと顧客体験の両立を図りました。この結果、購入過程がスムーズになり、顧客満足度の向上にも繋がっています。
アンドエスティのプラットフォーム開発部シニアマネージャー、本多由美子氏は「RiskifiedのAIが裏で作動することで、不正の疑いがある注文を自動的にブロックし、目視によるチェックの負担が大きく減りました。」と述べ、実際に3Dセキュアを使わないでの体験でも決済が非常にスムーズだったと語りました。
さらに、Riskifiedでは不正注文のリアルタイム分析に加え、ビジネス目標やコンプライアンスの要件に合致したシミュレーションを通じたコンバージョン向上のためのコンサルティングも行っています。
アジア太平洋地域のゼネラルマネージャー、アヴィラム・ガノール氏は、アダストリアのRiskified導入について、「3Dセキュア義務化に対応しつつ、事業成長と顧客体験の質を両立させる好例です。」と期待を寄せました。
この導入は、システムの単なる追加にとどまらず、さらに不正に関する情報共有や規制への対応を含む、包括的な支援の一部を形成しています。アダストリアは、ユナイテッドアローズやDMM.comと並ぶ、日本国内におけるRiskifiedの主要導入企業の一つとなりました。
Riskifiedは今後も、日本のEC市場においてセキュリティ、コンプライアンス、顧客体験の最適なバランスを目指し、さらなる支援を続ける予定です。
Riskifiedの概要
Riskifiedは、AIを駆使した不正検知やリスクインテリジェンスプラットフォームを提供し、ECの成長を支える企業です。世界中の有名ブランドや上場企業が同社のソリューションを活用し、決済時の不正検知、購入体験の向上を図っています。2024年には「CNBC 世界のトップ・フィンテック企業」に選出されるなど、その存在感を高めています。
アダストリアグループについて
アダストリアは、アパレルや雑貨、飲食など多岐にわたるブランドを展開する企業で、国内外でのファッションの魅力を広げることを目指しています。このグループには、アンドエスティをはじめとする各社が含まれており、様々な事業を通じて成長を続けています。