CACLがウクライナへのアート支援を実施
株式会社CACL(カクル)は、能美市に拠点を置く企業で、戦時下のウクライナにおけるアート活動を支援するためのプロジェクトを進めています。今回、CACLの代表である奥山純一氏がロバート・キャンベル氏を通じて、ウクライナのアーティストとアート施設に対して特別なアート作品を贈呈しました。
このプロジェクトの一環として、CACLは約3週間にわたりウクライナの複数都市を訪れ、現地のアートシーンを調査する中で、40セットの“HASHI STAND”と金継ぎ作品を寄贈しました。これらの作品は、ウクライナの国旗のカラーを採用した特別な九谷焼の陶磁器片で、アーティストたちはこれを「連帯の象徴」として受け止め、感謝の意を示しています。
アートの拠点への寄贈
贈呈された金継ぎ作品は、特に重要な3つの施設に配布されました。まず、リヴィウにある「UNBROKEN」リハビリ施設では、アートセラピーが行われており、主任建築士のAnton Kolomieitsev氏は作品の展示法を検討すると語りました。次に、ウクライナ東部のシェルター兼展示施設「Yermilov Center」では、所長のNatalia Ivanova氏が日本とのコラボレーションの可能性について興味を示しました。最後に、キーウにある「ウクライナ国立美術館」では、ジェネラル・ディレクターのYulia Lytvynets氏が、贈られた作品をコレクションとして収蔵し、展示の計画を進める意向を示しました。
破壊された食器の破片
さらに、現地の写真家でありマルチメディアアーティストのVera Blansh氏の協力を得て、爆撃で破壊された集合住宅から食器の破片を回収。この破片もキャンベル氏に日本へ持ち帰ってもらい、今後の展覧会やプロジェクトに活用することが期待されています。
キャンベル氏は、ウクライナ現地のアートに向けた支援の重要性を強調し、「戦争によって心身が傷つく中で、アートが人々をつなぎ止める力がある」と述べています。彼は、ウクライナの人々が困難な環境にも関わらず、アートを通じて新しい価値を見出し、希望を持ち続けている様子に感動を受けました。
未来への展望
CACLは、今後も戦争と震災という二つの災厄を背景に、アートを通して関係性を築き続けていきたいと語っています。奥山氏は、「ウクライナと能登が互いに文化を学び合い、影響し合う関係を築くことができれば、両地域の人々にとっての希望となるだろう」と期待を寄せています。
このように、CACLは新たな視点でアートを活用し、国境を超えた連帯の象徴となるようなプロジェクトを推進していく意向を示しています。