サントリーの輿石 太が受賞した『現代の名工』の栄誉
昨今、サントリー株式会社の主席ブレンダーである輿石 太(こしいし ふとし)が、令和7年度厚生労働省の「卓越した技能者(現代の名工)」の栄誉に輝きました。この表彰は、各分野で例を見ない技能を持つ職人や技術者を称えるもので、特に若者に夢を与える存在としての役割を果たしています。
卓越した技能を持つ職人
輿石氏は1982年にサントリーに入社し、ウイスキーづくりに身を投じてきました。その道の第一人者として、原酒の配合に関する深い技術と知識を持つ輿石氏は、サントリーを代表するウイスキー製品の開発に貢献してきました。特に、サントリーウイスキー「響」やシングルモルトウイスキー「山崎」、「白州」、さらには「碧Ao」といった製品がその証です。
最近では、山崎蒸溜所と白州蒸溜所の原酒を使用したプレミアムハイボール缶を世に送り出すなど、ウイスキー市場の活性化にも寄与しています。彼の技術は、新しい製品を生む源であり、その影響力は計り知れません。
後進を育成するリーダーシップ
輿石氏のもう一つの重要な貢献は、若い世代のブレンダーを育成することです。彼はサントリーの製造工場で現場社員に対して官能評価技術の指導を行い、優れた技術を持った次世代の職人育成に尽力しています。技能者のスキル向上に貢献することは、伝統を守るだけでなく、新たな価値を生み出すことにも繋がります。
先日「なにわの名工」も受賞した輿石氏は、大阪府と島本町からの推薦を受けて今回の名誉を手にしました。その背景には、彼の技術と人間性が周囲から高く評価された結果があったのです。
輿石氏の喜び
受賞の際に輿石氏は、「現代の名工(卓越した技能者)」と評価されたことに深い喜びを表し、ウイスキー作りの技能や熱意を後輩に伝承し続ける決意を語りました。彼にとって、ウイスキーは単なる製品ではなく、長年の汗と努力の結晶であり、伝統を次世代へと受け継ぐことが使命だと感じています。
輿石氏の歩み
輿石氏は1982年にサントリーに入社後、白州蒸溜所でキャリアをスタートさせました。1999年にブレンダー室に配属され、その後2010年に主席ブレンダーに就任しました。彼は「山崎50年」「山崎55年」「白州18年」「白州25年」などの新製品開発に関わり、特に「白州25年」は2022年に「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で最高賞を受賞。さらに、2023年には「山崎25年」なども受賞し、サントリーウイスキーの国際的な評価に寄与しました。
結びに
この素晴らしい受賞は、輿石 太氏が持つ卓越した技能と情熱の証です。彼はこれからもウイスキーの品質追求を続けつつ、次世代の育成にも尽力していくことでしょう。ウイスキー業界における輿石氏の存在は、まさに模範として多くの人々に影響を与えるものです。