日本企業のAI開発を加速する新たな提携
株式会社HexabaseとInfiniCloud株式会社が手を組み、エンタープライズ向けのAIエージェント開発に新たな道を切り開くことになりました。この提携は、今日のビジネスシーンにおいて重要な「AIの活用」と「セキュリティ担保」のジレンマを解消するものです。
背景にある課題
生成AIの導入が進む中、多くの企業は自社の機密データを扱う際の安全性に対して不安を抱えています。ある調査によると、AI開発に取り組む企業の約80%が、機密情報や個人情報の漏洩に関する深刻な懸念を示しているとのことです。この懸念は特に海外のパブリッククラウドを利用する場合に増大し、AI活用の妨げとなっています。
提携の目的と意義
HexabaseとInfiniCloudは、そのような問題を解決すべく協力し、Hexabaseのエンタープライズ向けコンテナ基盤をInfiniCloudの国産クラウド上で運用することにしました。この取り組みにより、企業は自社のデータを国内で安全に保持しつつ、AIエージェントを開発・運用することが可能になります。
この提携により実現するのは、機密データを厳重に保護するためのセキュリティ対策が施されたAIエージェント特化型の環境です。これにより、日本の企業は情報漏洩リスクを最小限に抑え、競争優位性を確保するためのAIイノベーションを進めることができます。
Hexabase.AIの特長
Hexabaseが提唱する「Hexabase.AI」は、セキュリティ面や運用効率に優れたマネージドKubernetesサービスです。このシステムは、企業のAI開発に必要なインフラの負担を軽減し、開発者が本来の業務に集中できる環境を提供します。
1. 完全なプライベートクラウド環境
InfiniCloudの高信頼IaaSを基盤とし、国内のデータセンターで運用することで、海外の法規制に影響されない環境を実現します。これにより、データを安全に運用できる体制が整います。
2. 機密データを守るセキュアな環境
コンテナ技術を活用し、AIアプリケーションに必要なライブラリを迅速に配備。高度なセキュリティ環境の下で、機密データに関わるAIエージェントの開発や学習を安心して行うことができます。
3. フルマネージド運用の提供
IaCやGitOpsといった手法を採用し、Kubernetesの複雑な運用を全自動化しました。これにより、企業はAIモデルやアプリケーションの開発に専念することができます。
4. ハイブリッドAI環境の構築
お客様の既存のデータセンターやオンプレミス環境と安全に連携するハイブリッドAI環境の構築が容易になりました。これによって、社内のデータソースとAIエージェントをスムーズに統合することが可能です。
将来の展望
今後両社は、「Hexabase.AI」を中心に、エンタープライズ企業への導入を進めていく計画です。InfiniCloudの高信頼なクラウド環境を基盤にし、企業の安全なAI活用を支援し続けることで、日本のデジタル産業の成長に寄与していくことが期待されています。将来的にはGPUを搭載したサーバーや、AI開発フレームワークをプリセットした環境の提供を目指します。
代表者のコメント
HexabaseのCEOである岩﨑英俊氏は、この提携で「企業がAIを活用しながら情報漏洩リスクを減少させ、イノベーションを加速させる環境を提供する」と述べています。また、InfiniCloudのCEO 瀧康史氏も、「信頼を構築する社会的挑戦」として、国産技術の重要性を強調しました。
まとめ
HexabaseとInfiniCloudが実現する安全なAI開発環境は、日本の企業が競争力を強化するための新たな基盤となります。この提携は、企業のデジタル変革を一層加速させることでしょう。