肥満症に対する理解を深める新たな試み：体験型研修プログラムの公開

肥満症に対する理解を深める新たな試み

日本イーライリリー株式会社と田辺ファーマ株式会社は、肥満症という疾患への正しい理解を促進すべく、新しい体験型研修プログラム「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」を開発しました。このプログラムは、肥満症に関する誤解や偏見を解決し、多様な背景に潜む要因を楽しく学べるように作られています。

ゲーム型疾患啓発ツールの特長

このプログラムには、二つのゲーム型ツール「みえない偏見カード」と「みえない要因すごろく」が含まれています。これらのツールは医師の監修の下で開発され、参加者が楽しく意見を交わしながら肥満症についての理解を深めることを目的としています。

みえない偏見カード

「みえない偏見カード」は、日常生活の中で潜む偏見や誤解に気づかせてくれる対話型カードゲームです。参加者は日常シーンを題材にしたカードに基づいて、自身の経験や認識を共有し、互いに学び合います。これにより、肥満症に対する社会的な偏見を認識しやすくなります。

みえない要因すごろく

もう一つの「みえない要因すごろく」は、肥満や肥満症に影響を及ぼす多様な要因を知る手段として設計されています。このボードゲームは、異なる要因を集めながらゴールを目指すもので、参加者は自分だけの努力では解決しきれない複合的な要因について理解を深めます。

フリーリソースの提供

両ツールは、公式Webサイトから無料でダウンロード可能です。使用説明書や進行スライドも含まれており、誰でも簡単にワークショップを実施できるよう配慮されています。さらに、12月10日（水）には一般企業向けに初めてワークショップが開催され、計11社から32名が参加しました。

参加者たちは、ゲームを通じて肥満症の正しい理解を深めるだけでなく、身体の反応や社会環境の影響も検証しました。医師による専門的な疾患解説も行われ、実際の治療に関する重要性についての理解が高まりました。

肥満症に対する偏見とその影響

肥満は、日本における成人の約25%が該当する深刻な健康問題です。しかし、肥満症への理解は不足しており、多くの人々が「自己管理の問題」と捉えがちです。この誤解は偏見を生み出し、必要な治療を受ける妨げとなる可能性があります。肥満や肥満症の発症には遺伝的、心理的、社会的要因が複雑に絡み合っており、個人の努力だけで解決できるものではありません。

社会全体での取り組みの重要性

この問題に対処するため、肥満症に対する誤解を解消し、理解を深めるための教育が必要です。特に職場環境においては、健康経営や人的資本の重要性が叫ばれています。本プログラムは、肥満症への理解を広め、健全な職場環境を形成する一助となることを目指しています。

今後も日本イーライリリーと田辺ファーマは、この取り組みを拡大し、地域やコミュニティ、さらには社会全体に広げていく活動を続けていく意向です。肥満症に対しての正しい理解を社会全体で共有することで、誰もが住みやすい環境を作り上げていきたいと考えています。