最新の求人調査で浮かび上がる応募傾向と賃金意識の変化
株式会社アイデムが2025年2月に実施した求人に関する調査によれば、求職者の賃金に対する意識や応募動機に興味深い結果が示されています。この調査結果から見えてくるのは、特に若年層がより高い賃金の求人に応募する傾向が強いことです。現在働いている人たちが応募する求人の賃金について調査したところ、全体の21%が「今までより高い」と感じていますが、30代以下の若者に限るとその割合は33.3%に達します。逆に、年代が上がるにつれて賃金が「低い」と感じる求人へ応募する傾向が強まることも分かりました。これにより、求職活動における賃金の期待が年代によって大きく異なることが確認されました。
求人応募の理由
パート・アルバイト希望者と正社員希望者の応募理由にはそれぞれ特徴がありました。パート・アルバイト希望者の53.1%が「自宅から通いやすいから」と答え、45.5%が「希望の勤務時間数・日数が選べるから」と続きます。このことから、特に家庭との両立を重視する傾向が見受けられます。女性は男性よりも「扶養の範囲内で働けるから」という理由を高く挙げています。
一方、正社員希望者の中では、最も多くの回答が「希望する仕事内容だから」となり、その割合は50%に上りました。自宅からのアクセスの良さや、自分の能力や経験を活かせる仕事であることも重要視されています。性別による違いも見られ、男性は「転勤がない仕事」という理由が支持を集めているのに対し、女性は柔軟な働き方や休日・休暇の取得しやすさを重要視しています。
応募件数の意識
今回の調査では、求職者がどれくらいの数の求人に応募しているかという点も注目されました。全体では「2〜5件」の応募が39.6%に対し、「件数に目安はない」のは31.3%であり、多くの人が数件に応募する傾向を示しています。特にパートやアルバイト希望者は、応募件数に目安を持つ割合が高く、計画的に求職活動を行っている姿が浮かび上がります。正社員希望者では「良い条件があればすべて応募したい」という意向が42.2%に達しており、高い競争の中でベストな求人を見つけようとする姿勢が見えます。
まとめ
アイデムの調査結果からは、世代による賃金に対する期待の違いや、応募理由の多様性が浮き彫りとなりました。特に若い世代は高賃金を求めるものの、年齢を重ねるにつれて人々の求めるものが柔軟性や家庭環境との両立にシフトしていることが確認されています。今後の求人市場においては、こうした傾向がどのように影響を及ぼすのか、引き続き注意が必要です。