近畿四国ソーシャルインパクトファンドの設立
プラスソーシャルインベストメント株式会社が、2023年に新たに設立した「近畿四国ソーシャルインパクトファンド」は、地域の課題解決に取り組むローカルベンチャーを支援する目的で立ち上げられました。このファンドは、休眠預金等活用法に基づく国内初の実践例であり、地域社会ソリューションへ向けた重要な一歩として注目されています。
ファンドの目的と意義
本ファンドは、企業が抱える地域課題を解決し、持続的な社会を実現するための根本的な解決策を模索する「システムチェンジ」を狙いとしています。ファンドの発起人であるプラスソーシャルインベストメント株式会社は、2016年の創業以来、地域の企業や事業者に対して資金支援を行ってきた経験を活かしていますが、地域の課題を支えるためのインフラは依然として不足していると認識しています。
近年のインパクト投資市場の拡大にも関わらず、多くのファンドがフィナンシャルリターンを主な目的としている中で、課題解決を直接的な目標にするソーシャルファンドに期待が寄せられています。今回のファンド設立は、地域の未来を形作るための重要な取り組みとして、関係者からの支持を集めています。
多様なパートナーシップ
このプロジェクトには、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)、日本民間公益活動連携機構(JANPIA)、ジェイバリュー信託株式会社、エックス都市研究所など、さまざまな組織が参画しています。特にSIIFは、日本で初めての休眠預金を活用したインパクトファンドの支援者として、地域に密着した支援を行うことで、複雑な課題に取り組む企業を後押しするとしています。
地域へのインパクト
ファンドの総額は10.1億円を目指しており、これにより近畿・四国エリアの新しいベンチャー企業の支援が行われる見込みです。例えば、農水産業、観光業、ケア産業、地域インフラなど、多岐にわたる領域の社会的課題に取り組む企業に投資します。これにより地域の産業が活性化し、持続可能な経済の発展へと繋がることでしょう。
スケジュールと今後の展望
2025年6月にはファンドが正式に発足し、9月8日には公式ウェブサイトが立ち上がります。また、同年9月下旬には投資先事業者の公募が開始される予定です。こうしたスケジュールに沿って、地域の信頼できるベンチャー企業がしっかりと資金を得られる環境が整えられます。
まとめ
近畿四国ソーシャルインパクトファンドは、地域課題解決を目指す実践的な試みであり、持続可能な社会の実現に向けての重要なステップです。多様なパートナーとの強固な連携を通じて、地域全体での挑戦を支える基盤を築くことが期待されています。また、この取り組みが他地域にとってのモデルケースともなることが期待され、地域の未来を変える一助となることでしょう。