固体や高粘度液体移送特化型ポンプ「クロスパドルポンプ」の魅力
昨今、食品業界では安全性や品質の向上が求められており、特に移送工程での衛生管理が重要です。そんな中、移送前後の形状を保持できる優れた食品移送ポンプ「クロスパドルポンプ」が、15年の時を経て再販されることが決定しました。このポンプは、固体や高粘度液体を問題なく移送し、その特性を生かして様々な食品業界での導入が期待されています。
クロスパドルポンプの特長
「クロスパドルポンプ」は、従来のポンプでは対応できなかった固形物が混ざる液体や高粘度の液体を効率的に移送できます。特に、潰れやすい固形物に対しても、その形を保持したままの移送が可能であり、業界のニーズに応えています。実際に、移送された食品の状態を示す写真を見ても、全く崩れた様子が見られないことがわかります。
左側が移送前のしいたけ、右側が移送後のごぼう。崩れなどの問題もなく、形状を維持したまま移送されています。
クロスパドルポンプの誕生背景
「クロスパドルポンプ」は、ワイン造りが盛んなフランスやドイツで開発されました。元々、このポンプは絞ったぶどうの皮や種を果汁とともに移送するために設計されたものです。1986年には日本に初めて導入され、その後ニチレイ、日清冷凍食品などの大手食品メーカーにも導入されてきました。さまざまな食品の移送装置として進化を続け、たこ焼きやもずくなどでも高いシェアを誇ります。
しかし、経営方針の転換から一旦製造販売を終了。しかし、固形物入り商品や練り物製品を扱う企業からの要望が高まり、再販の運びとなりました。
様々な改良で衛生面を強化
再販にあたり、「クロスパドルポンプ」は接液部分の材質をゴムからステンレスに変更し、衛生面を強化しました。これにより、分解洗浄が容易にできることが実現し、異物混入のリスクも減少。HACCPなど食品衛生管理の国際的手法にも対応できる製品となりました。
展望と未来の可能性
近年、お好み焼きの具材移送ポンプとしても利用されており、洗浄のしやすさが利用者からの高評価を得ています。目指すは、初年度2,000万円の売上。市場調査を経て、実際の販売が行われていく予定です。
再販の発表に際し、2023年10月11日から13日まで幕張メッセで開催される「関東農業WEEKスマート農業EXPO」にも出展し、実際にポンプを体験できるデモを行う予定です。この展示会では、固体・高粘度液体移送に加え、新たに導入された太陽光利用型水耕栽培装置「オンディーネVH」も紹介され、水耕栽培のメリットを知る貴重な機会となるでしょう。
このウルトラ高性能ポンプが業界に新たな風を吹かせ、多くの食品業界での活躍が期待されます。