2026年、昭和の足跡を辿る
2026年は、昭和元年から数えて満100年の節目の年です。この重要な年を前に、パブリッシャーである株式会社PHP研究所がリリースする書籍『経済で読み解く昭和史』(著:岡田 晃)が注目を集めています。この本は、1927年の金融恐慌から昭和末期のバブル景気までの様々な経済問題を時系列で整理し、令和に生きる私たちに過去の教訓を示すものとなっています。
著者の岡田氏は、日本経済新聞社で20年以上のキャリアを持ち、さらにはテレビ東京での経済番組のプロデューサーやキャスターを務めた経済評論家です。彼の豊富な知識や経験を元に、昭和時代の経済政策や教訓を振り返ることができるこの書籍は、2025年12月17日発売予定で、税込1,210円で入手可能です。
昭和の経済を振り返る意義
昭和時代はインフレや関税合戦、大恐慌、さらには世界大戦といった、多くの激動の時代でした。そのため、昭和の経済史は現代においても多くの事例から学べる教訓があります。特に、著者はトランプ大統領時代に発表された関税引き上げを引き合いに出し、歴史的な経済的対立のメカニズムを解説。関税の引き上げが引き金となった過去の出来事から、同様の状況が今日でも繰り返される可能性があることを警告しています。
難局を乗り越えた過去の事例
また、昭和初期や昭和末期の経済の変遷が、現在の日本経済とどのように似ているかも注目すべきポイントです。大正時代から昭和初期には金融恐慌が、日本経済を難局に追い込みましたが、当時の高橋是清によるリフレ政策が効果を発揮し、早期に経済を回復させました。対照的に、平成期のバブル崩壊においては経済政策の失敗が長期にわたる不況を招きました。このような歴史から、現在の政策が同じ過ちを繰り返さないよう学ぶ必要があると、著者は強調しています。
内容の一端を紹介
本書では以下のような項目について詳述しています:
- - 大正時代に蓄積された不良債権の影響
- - 平成バブル崩壊との類似点
- - 昭和恐慌とデフレ不況
- - 金融緩和と円安による景気回復
- - 関税合戦がもたらした経済的影響
これらのテーマを通じて、著者は昭和の時代が直面した課題と、それに対する解決策を提言します。
著者の岡田 晃氏とは
岡田氏は1947年、大阪市に生まれました。慶應義塾大学経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。現場での実績を積み上げた後、1991年からテレビ東京に移り、経済報道の第一線で活躍。現在は大阪経済大学の特別招聘教授として教鞭を執りながら、数多くの著作を世に送り出しています。
『経済で読み解く昭和史』は、歴史と現代経済をつなぐ重要な一冊です。過去の教訓を踏まえた未来への道しるべとして、多くの人々に手に取っていただきたい一冊です。