震災から学んだ荷物管理の新常識、グリップシートの効果とは

災害時における荷物管理の重要性

東日本大震災を経て、多くの避難所での救援物資の運営は改善され、効率が向上しました。しかし、荷物の搬入や保管の仕方には、依然として課題が残されています。特に、余震が発生する未確定な状況下での作業は、荷物が崩れたり滑ったりするリスクをともないます。これを解決するために登場したのが、グリップシートです。

グリップシートの特性

株式会社セイホウが日本総代理店を務めるこのフランス製の製品は、特殊なノンスリップ加工が施された紙製のシートです。荷物の隙間に挟むだけで、荷物の滑りや崩れを劇的に減少させることができます。具体的な特徴は以下の通りです。

1. 挟むだけで効果: シートを荷物の間に挟むだけで、安定性を向上させます。
2. 環境に優しい: FSC認定を受けた再生紙100%で、リサイクルが可能です。
3. 広範な温度範囲: マイナス40℃から100℃までの耐熱性があり、様々な環境で使用可能です。
4. 多様な素材に対応: プラスチック、金属、ガラス、木材、陶磁器など、ほとんどの材質に使用できます。
5. リユース可能: 一度使ったシートも、繰り返し使用が可能です。

コストパフォーマンス

グリップシートは、200枚セットで税別42,000円の価格で提供されています。工業現場では、荷物が乗ったパレットを全体的に支え、荷崩れや破損を防止します。また、家庭内でも家具と床の間に挟むことで、地震や余震による滑りを軽減する効果があります。さらに、必要に応じて好きなサイズにカットして使用できる点も便利です。

世界的な採用実績

現在、グリップシートは全世界50か国の約5,000社で採用されています。セイホウの代表取締役である塚本氏によると、日本国内の市場はまだまだ小規模で、年間10万枚程度の販売ですが、今後5年以内に100万枚を目指すとのこと。その背景には、物流業界を中心に、地方自治体からの需要が増えていることがあります。