第48回木下賞受賞の意義と背景
東京で行われた「TOKYO PACK 2024」において、東洋製罐グループホールディングスが自社開発の「コカ・コーラ 500 ml r-PET 100% 軽量化ボトル」と「超軽量アルミ飲料缶」の2製品で第48回木下賞を受賞しました。この受賞は、環境への配慮と革新技術が高く評価された結果と言えるでしょう。
受賞製品の詳細
コカ・コーラ 500 ml r-PET 100% 軽量化ボトル
このボトルは、従来からのPETボトルと比較して23gから21gへの軽量化を実現しています。特にボトル底部のペタロイド形状に技術革新を加えることで、同等の性能を保持しながらも、環境負荷を大きく減少させています。この軽量化により、1億本あたり約200トンの樹脂使用量を削減でき、さらにr-PETを100%使用することでリサイクル材料の利用も促進します。
超軽量アルミ飲料缶
続いて、超軽量アルミ飲料缶は、CBR(Compression Bottom Reform)という技術によって、缶底の耐圧強度を向上させました。この技術により、350ml及び500mlの缶はそれぞれ1.5g(12.8%)と2g(13.3%)の軽量化に成功しました。今後、この技術を全ての缶に適用すれば、年間40,000トン以上の温室効果ガスを削減できる可能性があるという試算も出ています。
環境への寄与
これらの製品の特筆すべき点は、消費者に美味しい飲料を提供しつつ、地球環境への負担を軽減できることです。軽量化と樹脂の削減は、企業の生産コストを抑えるだけではなく、製造過程でのエネルギー消費も低下させることにつながります。
今後の展望
東洋製罐は、持続可能な社会を目指し、今後も環境に優しい製品の開発を推進していくとしています。「未来をつつむ」というビジョンのもと、2050年を見据えた企画も進行中であり、持続可能な経営を実現するためのさまざまな取り組みが期待されます。
東洋製罐グループの全体像
東洋製罐グループは、金属、プラスチック、紙、ガラスといった多様な素材を活用した包装容器を提供しており、その事業範囲は広がっています。1917年の設立以来、国内外での事業展開を進めてきたこの企業は、約20,000人のスタッフを有し、2024年3月期の売上高は9,506億円にのぼります。これからも、環境に配慮した技術革新を前進させ、全てのステークホルダーにとって価値ある製品の提供を続けていくことでしょう。