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知床沖の観光船沈没事故報道が輝いた理由

6月2日、東京で開催された第62回（2024年度）ギャラクシー賞の贈呈式にて、HTBの「知床沖観光船沈没事故 ２年５カ月に及ぶ独自の検証報道」が報道活動部門で選奨を受賞しました。これは、ギャラクシー賞においてHTBが報道活動部門で受賞するのは、2020年度以来、実に4年ぶりのことです。

ギャラクシー賞は、1963年に設立されたNPO法人放送批評懇談会主催の賞で、日本の放送文化の向上を目指す活動の一環として行われています。中でも報道活動部門は、地域の放送ジャーナリズムを活性化させることを目的とし、2002年度に設立されました。HTBは今回の受賞で合計7度目の栄誉を手にしており、同社の持続的な取り組みが高く評価されたことが伺えます。

報道への姿勢と取り組み

HTBは、2022年4月に発生した知床沖の観光船沈没事故以降、独自の資料や証言をもとにした検証報道を続けてきました。事故が風化しがちな中、その真相を追及する姿勢を貫き、海上保安庁や警察への情報開示請求、関係者へのインタビューを通じて、真実に迫っています。今回の受賞に際し、審査委員からは「海中映像や118番通報記録の開示につながった地道な取材が評価されています。多角的な視点から救難体制の問題や全国の船舶事業者へのインパクトについても取材し、遺族への配慮が見受けられました」とのコメントが寄せられました。

記者の思い

報道部の須藤真之介記者は、事故を忘れてはならないとの思いで取材を続けてきたと語ります。「ある遺族の方からは『あの日何が起きたのか知りたい。同じような事故が二度と起きてほしくない』という切実な声をいただきました。」と語る彼は、今後も被害に遭った乗客家族の思いに応えるべく、全国にこの問題を発信していく意義を強く感じています。この受賞を励みに、今後も取材を続けていく意向を示しています。

効果的な報道の重要性

また、報道部の広瀬久美子副部長もコメントを寄せ、事故発生当初の報道について非常に多くのメディアが集まり、家族から厳しい批判を受けたことを振り返りました。「私たちは地元のテレビ局として、事故直後から真摯に報道に取り組んできました。事故から3年が経過した今、報道が減っていく中で、この事故を風化させないことが、ご家族の思いに応えると信じています。」と語り、今後も責任をもって取材を続ける姿勢を明確にしました。

今後の展望

今回の受賞は、知床沖の観光船沈没事故の重要性を再認識させるものであり、今後も多くのメディアがこの問題に注目することが求められます。HTBの取り組みが、事故の真相解明に向けた道筋を示し、他のメディアにも良い影響を与えることを期待しています。再発防止に向けた議論の場が広がることで、観光業界の安全性が高まり、多くの旅行者が安心して訪れることができるようになることを望んでいます。

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